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庄司 圭太 斬奸ノ剣


この作家の作品は始めて読むのですが、痛快活劇時代小説の王道を行く小説でした。

文化年間。藩の特命による任務を遂行中の父が行方不明になったと告げられた加賀藩士乾刀次郎は、身に覚えのない謀反の罪で越中の五箇山の獄に流される。父の存否と事の真相を明らかにすべく脱獄を図る刀次郎だが、酷寒酷暑の流刑地での生活は、彼の心身を徐々に蝕んでゆく。やがてこの奸計の裏に、加賀百万石前田家をつつむ闇の構図が浮かび上がるが…。書き下ろし時代小説、シリーズ第一弾。(「BOOK」データベースより)

加賀藩を物語の出発点にしている点では珍しいと言っていい小説でしょう。少なくとも私は他に知りませんでした。そして主人公もその理由は分からないままに父親は行方不明になり、自らは五箇山の獄に幽閉されることになります。その後父親失踪の謎や、自分が事情も告げられずに幽閉されなければならなかった理由などを探すために五箇山を脱し、江戸へと旅に出るのです。

典型的な活劇小説であり、情感や主人公の内面の描写などはほとんどと言っていいほどにありません。小説の持つ深みなどを考えることもなく、ただひたすらにストーリーを追い、楽しめばいい物語です。

そのストーリーは、先が読めないという意味では意外性に富んでいます。主人公の行動が思慮が無さ過ぎだから先が読めない、とも言えそうですが、筋立てを追うのに邪魔になるほどでもありません。これから先の物語の展開を楽しみに読む、という点では期待が持てるシリーズのようです。

長谷部史親氏の解説によると、「本書『斬奸ノ剣』によって幕を開けた本シリーズは、庄司圭太氏の時代小説群の中でも際立った特色を持っている」のだそうです。そのうちに他のシリーズも読んでみようと思わせる物語でした。

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本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

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