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高木 彬光 破戒裁判

破戒裁判 新装版  高木彬光コレクション (光文社文庫)破戒裁判 新装版 高木彬光コレクション (光文社文庫)
(2006/06/13)
高木 彬光

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全編が法廷での検察、弁護人のやり取りで成り立っている珍しい構成の本です。検察と弁護人とのやり取りの中から被告人の真実の姿が浮かび上がってきます。そこには皆の思いもかけない本当の理由がありました。

法廷場面だけの構成なので、決して派手さはありません。言わば、本格派の推理小説での探偵の謎解き場面だけで成り立っていると言ってもいいかもしれません。

今回図書館で目の前にこの本があったので思わず借りて読み返してみたのですが、今でも小説としての面白さは色あせてはいませんでした。前回読んだのは私が20代の頃、もう40年近くも前になります。

これは当時から思っていたことですが、文章が少々大時代的に感じる個所があります。本作品は台詞が法廷での弁論という特殊な設定なのである程度仕方がないことがあるかもしれませんが、他の作品でも同様な感想をもっていたのですから、これは高木彬光という作家の特色と捉えるべきなのでしょう。

また、当り前ではありますが、お金の価値の感覚が今とは相当異なるのが新鮮に感じてしまいました(作品の出版は昭和36年)。

蛇足ですが、今回読み返すまで奥さんのことをペリと呼んでいたのは高木彬光の代表的な探偵役の一人である「検事霧島三郎」だと思っていました。ところが、本作品の探偵役である弁護士百谷泉一郎が奥さんのことを「ペリ」と呼ぶ場面がありました。記憶は当てにならないものです。

この弁護士百谷泉一郎シリーズは本作品が最初です。女傑である奥さんも活躍するこのシリーズは他に「誘拐」、「人蟻」等があり、かなり面白く読んだ記憶があります。

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(こちらです⇒読んだ屋
本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

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