辻村 深月 鍵のない夢を見る

鍵のない夢を見る鍵のない夢を見る
(2012/05/16)
辻村 深月

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日常からのちょっとした逸脱に翻弄される女性達を描いた作品集です。

幼馴染とのつらい思い出の結末、男のいない女の内心の葛藤、どうしようもない男と離れられない女、夢しか追えず独善的な男とから離れられない女、赤ちゃんの泣き声に追い立てられる女。そうした夫々の女の内心を深く突き詰めて、読者に提示する、少々重く、つらい作品が並んでいます。

直木賞受賞作なのですが、個人的な好みには反している作品集でした。物語の全体を貫くトーンの暗さもそうですが、何編かの物語には全く救いが感じられないのです。トーンが暗いだけでも若干苦手なのに、そこに救いも無ければ何のためにこの物語を書いたのだろうという気になってしまいます。

勿論、文学として表現力や文章の巧拙など、私では分からない何かが評価されているのでしょう。確かに、各物語の主人公である女たちの心の移ろいも含めての描写は、読み手の心に迫るものがあり凄いと思いました。でも、だからこそ、と言えるのかもしれませんが、そうした心裏を持つ女の物語への反発も激しいのでしょう。

ずるずると状況に引きずられて抜け出せなくなっていく女が描写されていて、男の私には良く分からない心裏もあるのですが、特に女性にはこの世界観にはまる人も多いかもしれません。ただ、物語にエンターテインメント性を求める傾向の強い私のようなは少々苦手とする作品でしょう。

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本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

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