道尾 秀介 花と流れ星

花と流れ星 (幻冬舎文庫)花と流れ星 (幻冬舎文庫)
(2012/04/12)
道尾 秀介

商品詳細を見る

ちょっとした仕掛が施された五編が格納された短編集です。「流れ星の作り方」「モルグ街の奇術」「オディ&デコ」「箱の中の隼」「花と氷」の五編が収納されています。

個人的には一番最初の「流れ星の作り方」が、作品としては一番好きでした。内容はそうでもないのですが、どことなく詩情(と言えるかどうか)が漂う雰囲気がある描写であることと、物語の構成が泡坂妻夫の作品を思いだすようなタッチで面白かったのです。それと、最後の最後のオチが小気味良かったですね。

そういう意味では「モルグ街の奇術」の作り方も好きでした。テーマが「モルグ街の殺人」だからでしょう、少々ポーの作品めいて怪奇趣味を持った小品で、それでいてひねりが効いていて面白い作品でした。

「オディ&デコ」は風邪をひいていた真備が発した「鬼の」という言葉が「オディド」と聞こえたところからきていると思えるのですが、少女たちの子猫を思う気持ちと子供達同士のちょっとしたした行き違い、の物語です。個人的には今一つでした。

「箱の中の隼」は新興宗教の、「花と氷」は真備と真備の助手である凛の過去にまつわる物語で、前半のインパクトが強かっただけに、少々失速した感じでした。

個人的には後半の作品が当初の二作品ほどのインパクトは無いと感じたものの、全体としてはそれでも面白い物語集でした。

本作品の主人公である真備庄介の物語は他に長編があるそうです。ホラー作家の道尾秀介をワトスン役に配したこのシリーズもなかなかに面白そうで、近いうちに読んでみたいものです。

道尾 秀介 笑うハーレキン

笑うハーレキン笑うハーレキン
(2013/01/09)
道尾 秀介

商品詳細を見る

ホームレス家具屋東口。その男のもとにある日突然弟子志願の若い女が現れ、ホームレスたちとの奇妙な共同生活が始まる。文字どおりの"疫病神"に付きまとわれている東口は、ある日奇妙な本棚修復の依頼を受ける。仕事、仕事で結局は会社を失い、更には子供まで死なせてしまった男、東口の回生の物語。

この作家はまだ2冊しか読んでいないのではっきりとは言えないのだけれど、作風は決して明るくはない感じがします。

一応本書も未来志向と言っても間違いではないのだけれど、どうもその未来がバラ色を感じさせないのです。

物語としては、巧妙に張られている伏線が終盤生きてきて話の展開が良く練られている印象がして、面白いです。ただ、派手なアクションといった展開とは無縁のお話なので、その手の物語を期待している人には向きませんね。

でも、主人公の回生の物語として楽しめば十分に楽しめると思います。

プロフィール

siro

Author:siro
このブログの本棟として本の紹介のサイトを開いています。
(こちらです⇒読んだ屋
本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR