高野和明 ジェノサイド

ジェノサイドジェノサイド
(2011/03/30)
高野 和明

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本業が忙しくなり、やっと読了しました。

思っていた内容とは異なる作品でした。

ジェノサイドという題名からして、映画プレデターのようなアクションものを予想していたのだけど、いい意味で裏切られました。

他の作品と比してもまた全く異なるテイストで驚きます。

ただ、学術的なこともよく調べてあるし、緻密に考えられてもいるのでしょうが、もう少しエンターテインメントとして徹してくれていれば、更に面白く読めたのではないかと思いました。

著者の歴史観が色濃く出ている作品であることは分かるのですが、各場面で少々唐突にすぎますし、重要な役割を果たす友人の存在にしても少々説明不足でご都合主義的に感じられてもったいないです。残念でした。

でも、さすがベストセラーになっている本です。面白さは否定できませんね。

高野和明 幽霊人命救助隊

幽霊人命救助隊 (文春文庫)幽霊人命救助隊 (文春文庫)
(2007/04)
高野 和明

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高野和明という作家は良くもまあこのように重いテーマを次々に書くものだと呆れてしまいました。本書も最後まで読み通すのに体力を必要としました。

何せ、主人公が4人の自殺者の幽霊で、この4人が神様から命じられて、100人の自殺者を思いとどまらせる、という使命を負うのです。この神様という存在自体が良く分からないのですけどね。

そして、各章で色々な状況の自殺者を助けていくのですが、これがまた現代社会における悲惨な状況を拾い出して読者の目の前に晒すのですからたまりません。勿論、夫々の自殺者を救助するにあたりそれなりの救いがないことはないのですが、まるで自殺カタログの連作短編集です。きついです。

読後感がまあ救いがある分良いのかな、とは思いますが、ホントにこの作家はいろんな引き出しがある人だと思います。

ここ数日この作家を立て続けに読んでいます。今「ジェノサイド」に取り掛かっているのですが、これはどうもアクション系らしいので、「グレイヴディッガー」のインパクトをもう一度期待しても良いのではないかと思っています。

高野和明 13階段

13階段 (文春文庫)13階段 (文春文庫)
(2012/03/09)
高野 和明

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昨日に続き、この本もまた重い本で、途中までもう読むのを止めようかと何度か思いました。 過失殺人で服役した少年と刑務官が、冤罪の恐れのある死刑囚の無実を証明しようと走り回る話です。

死刑制度については私も昔法律関係の仕事に就いていたこともあり、少々考えたことはあります。この本の中に出てくる教育刑主義と応報刑主義の対立は、別に死刑制度についての考え方の話ではなく、刑罰そのものについての2つの大きな考え方です。結論は簡単に出るものではありませんが、現代の通説と言われる応報刑主義に何となく、そういうものかもしれないという感じを持ったことがあります。

本書は、中ほどでは回想シーンの多用などで死刑制度そのものの問題点等を読者に真正面から提起します。

これが少々重かった。メインの物語は進まずにこれでもかと問いかけてくるのです。

横山秀夫の「半落ち」も問いかけるテーマは重く、決して明るい本ではありませんでしたが、それなりに物語として、誤解を恐れずに言えば「面白く」読めました。でも、本書は何故か物語世界に入っていけないのです。体調次第では読むのを止めてしまったかもしれません。

終盤、物語は急展開を見せ、作品に引き込まれました。今は最後まで読んでまあ良かったとは思っています。

やはり選考委員の満場一致で第四十七回江戸川乱歩賞を受賞した作品だなと思っているのです。

高野和明 K・Nの悲劇

K・Nの悲劇 (文春文庫)K・Nの悲劇 (文春文庫)
(2012/06/08)
高野 和明

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「グレイヴディッガー」とはまったく異なる、ホラーでした。この作家はこんなものも書くのか、という驚きの方が先に立った本でしたね。それほどに「グレイヴディッガー」のインパクトが強く、また面白かったのです。

この本はどうもテーマがテーマだけに乗り切れませんでした。

人工妊娠中絶と多重人格、憑依。

読んでいて重い重い。途中でやめようかとも思いましたが、まあ何とか最後まで読み終えました。

読後感がそれほど悪くないので救われましたが、この手のテーマはあまり読む気にはなれません。

昔読んだ、スティーブン・キングの「ペット・セマタリー」も途中でやめたことを思い出しました。

私の読みたいのは「面白い」本なので、ちょっと違うのです。

「良い本」かもしれませんが私にとっての「面白い」本ではなかったということですね。

タイタンの逆襲

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(2013/03/20)
サム・ワーシントン

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今日はタイタンの逆襲を見た。

勿論レンタルで、サム・ワーシントン主演の前作「タイタンの戦い」の続編です。

話は単純で、サム・ワーシントンが演じるペルセウスが、ゼウスの父クロノス復活のために冥王ハデス達に拘束されてしまった父ゼウスを助けに行くという、それだけの話で、取り立てて言うことも無い。

話は単純でいいのだけれど、もう少し冥界への道など、もう少しひねってほしかった気もする。

ただ、CGは良くできていましたね。クロノスの復活のシーンは、指輪物語の地下でガンダルフを引っ張り込んだバルログを思い出す姿かたちでしたが、多分映画館で見ても相当なもんだったと思われます。(そうか、映画館なら3Dで見れたんだ。)

そもそもギリシャ神話に出てくる神々は実に人間的なのだけれど、この映画でも当然ながらそうですね。神も死ぬし、善とは限らない。昨年見た「インモータルズ-神々の戦い-」もそうでした。ドラゴンボールの神とちっとも変りません。

子供の頃、ギリシャ神話を滑躍らせて読んだのだけれど、その頃はもう少し神は神だと描かれていたような気がします。子供心だったからでしょう。

とまれ、この映画もCGの勝利ということで、そこそこに面白かったです。 でも、子供のころに見たレイ・ハリーハウゼンの「アルゴ探検隊の大冒険」のころは青銅像や骸骨の動きはぎこちなかったものの目を見張っていたものでした。

リアル・スティール

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(2013/04/17)
ヒュー・ジャックマン、ダコタ・ゴヨ 他

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「リアル・スティール」を見た。

ヒュー・ジャックマン主演のロボットのボクシング映画です。

母親で好きな人はあまりいないかとも思うけど、父親と子供で見るには良い映画かもしれない。

結局、「ロッキー」であり、「チャンプ」なのだけれども、「ロッキー」ほどのインパクトはなく、「チャンプ」ほどの感動も無い、ちょっと中途半端な感じではありました。

ただ、ヒュー・ジャックマンの恋人(?)をやってたエヴァンジェリン・リリーという人がテレビドラマ「LOST」に出ていた彼女だったのは、驚くとともに、こんなところで活躍してたんだと少々嬉しくなりました。

まあ、この映画はこの映画なりに、そのCGの素晴らしさや役者の頑張りでそれなりに楽しく見れたと思います。

探偵はBARにいる

探偵はBARにいる 通常版 [DVD]探偵はBARにいる 通常版 [DVD]
(2012/02/10)
大泉 洋、松田龍平 他

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何を今更この映画を取り上げるか、という感じですが、地上波で放映されたのを見ました。録画で。

結論から先に言えば、なかなかに面白かった。大泉洋と言うタレントというか、役者さんも好きな人だったし。全体的な、ピンク電話の出てくる一昔前といった舞台設定もいい。ハードボイルドものが持つどこか漂う虚無感もほんのり見えて、良い雰囲気でした。

まず思ったのは、この映画の持つ匂いが、若いころにはまった萩原健一と水谷豊の「傷だらけの天使」の持つ雰囲気に似ていたことです。

大泉洋は萩原健一程かっこよくも無いけど、それでも、コミカルでなおかつシリアスな雰囲気もきちんとこなしていたと思います。水谷豊役としては、役柄はちょっと違うけど、松田龍平がちゃんと相方として出ていました。

そして、この面白さがあるのなら、未だ全く読んだことのない東直己氏の作品も読んでみようと思います。

蛇足ながら、ちょっと違うけど同じようにはまった「探偵物語」は松田龍平親父の松田優作が素晴らしかった。

高野和明 グレイヴディッガー

グレイヴディッガー (角川文庫)グレイヴディッガー (角川文庫)
(2012/02/25)
高野 和明

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久しぶりにこんなスピード感のある小説を読んだ。

10年位前に読んだ「二重螺旋の悪魔」「ソリトンの悪魔」の梅原克文以来かもしれません。

外国で言えばD・R・クーンツの「ファントム」、ロバート・R・マキャモンの「スティンガー」といったところか。

そうした各作品にはどことなくホラーチックな匂いというか、クリーチャーの存在が大きいのものです。しかし、本作品は確かに舞台設定にはホラーテイストはあるかもしれないけど、物語にアクション性の方が強いところがちょっと異なる気がします。

ノンストップアクション小説です。

死体の盗難事件という妙な事件を担当する刑事同士の会話から幕が開きます。本書の主人公八神俊彦は、骨髄移植のドナーとなって患者として苦しんでいる人を助けようという、初めて善行をする気になったワルです。一方、煮えたぎる風呂場で茹でられている死体や見えない炎で焼き殺される女などの連続殺人が発生して、八神が犯人として警察に追われたりと、この八神俊彦の一夜の逃避行を描いた作品です。

一気に読んでしまいました。

面白いです。

堂場 瞬一 熱欲 刑事・鳴沢了シリーズⅢ

熱欲 (中公文庫)熱欲 (中公文庫)
(2005/06)
堂場 瞬一

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主人公鳴沢了は、今回は青山署の生活安全課に異動となり、市民からの苦情処理を担当する立場になっていた。

その部署でDVの事件を抱えていた鳴沢は、被害者の世話をしていたボランティアの女性と知り合うことになる。ところがその女性は主人公鳴沢のアメリカ留学時代の親友の妹であることが分かるのだが、たまたま日本に来ていたその親友の手により、彼女とデートをすることになってしまう。

一方、鳴沢は老人たちのマルチ商法詐欺の訴えも担当することになるのだが、その詐欺事件は中国系マフィアの絡む大掛かりな事件へとその様相が変化していく。そして、事件は意外な広がりを見せることになる。

主人公鳴沢がアメリカ時代の親友と東京の街中で偶然出会ったり、担当事件の関係者がその親友の妹だったりと、少々筋立てに都合がよすぎる感が無きにしも非ずです。でも、結構緻密に描写されていくこの作家の物語はその偶然性をあまり感じさせません。

また、前作で共に走り回った仲間たち、特に想いを交わした小野寺冴のことも全く触れられておらず、新たな恋人になるかもしれない女性が登場します。

本作は十分に独立した物語としても楽しむことができると思われます。

本作では、鳴沢の留学時代の描写があったり、少しずつ主人公の背景が語られていきます。この時点でシリーズものとしてある程度長く書くことを考えていたのではないでしょうか。

このシリーズは派手さがあるとは言えず、物語はどちらかと言うと淡々と進んでいきます。主人公の靴や服に対するこだわりなども見られ、どことなくハードボイルドの雰囲気を漂わせています。

少々物語が長いかなという感じはしますが、それでも続きを読み続けると思います。

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Author:siro
このブログの本棟として本の紹介のサイトを開いています。
(こちらです⇒読んだ屋
本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

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