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アベンジャーズ

 如何にもハリウッド映画らしい、スケールの大きな作品だった。
 コミックヒーローものにしては脚本もしっかり練られた印象があり、CGも十分なものであって、これぞ映画と思わせる作品だった。

 「マイティ・ソー」も「キャプテン・アメリカ」もこの映画のための前ふりだったのだろかもしれない。そのくらいにこの2作品の出来はB級映画と言ってはB級映画に失礼な位の出来しかないとの印象だった。しかし、この両ヒーローも本作ではそれなりのポジションが与えられ活躍も見ごたえがあったように思う。
 でも、やはり本編の出来が良かった「インクレディブル・ハルク」と「アイアンマン」の二人が本作品の中でも光っていたのではなかろうか。一応キャプテン・アメリカがリーダーシップをとっていたのだけれど、ハルクとアイアンマンの活躍こそが見所のように感じた。

 ホークアイはさておいて、ブラック・ウィドウに至っては存在意義があまり感じられず、画面の花としての意味しか感じられなかった。この花が艶やかでかっこいいのではあるけれども・・・。

 例によって2作目以降への期待を抱かせるような終わり方ではあったし、制作されればまたDVDを借りることだろう。
 ただ、この手の映画は映画館で見てこそその価値が分かるのではないだろうか。

東野 圭吾 マスカレード・ホテル

マスカレード・ホテルマスカレード・ホテル
(2011/09/09)
東野 圭吾

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マスカレード・ホテル 集英社 待望の新ヒーロー誕生! 極上の長編ミステリ 都内で起きた不可解な連続殺人事件。次の犯行現場は、超一流ホテル・コルテシア東京らしい。殺人を阻止するため、警察は潜入捜査を開始し・・・。1行たりとも読み飛ばせない、東野ミステリの最高峰。 (AMAZON内容紹介)

やはり東野圭吾の作品は読み応えがある。紹介にあるような「東野ミステリの最高峰」と言えるかどうかは疑問があるが、それなりに面白かったのは間違いない。

ただ、この作家の作品にしては少々期待外れの感もあった。

この作家の近年の作風からすると、本来ならばもう少し人間が緻密に描かれているのではないか。この作品にはその人間描写が薄く、ひと昔前の本格推理小説の謎解きのための謎解き、に近い印象がある。

本項も仕事中にメモとして書いていたもの。

東 直己 探偵は吹雪の果てに

探偵は吹雪の果てに (ハヤカワ文庫 JA)探偵は吹雪の果てに (ハヤカワ文庫 JA)
(2004/02/10)
東 直己

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ちんぴらに袋叩きにされて、“俺”は入院した。そこで偶然、病院の付添婦をしている昔の恋人と再会。彼女からの依頼で雪の田舎町まで一通の手紙を届けることになった探偵だが、町に着くなり身辺に不審な男たちの影がちらつき始め、理由も解明できないまま町を追い出されてしまう。やくざの組長の桐原の助けを借り、再び町に舞い戻った探偵に最大の危機が!雪原を血にそめる死闘の果ての意外な結末とは?シリーズ最高傑作。(AMAZON内容紹介)

このシリーズを今まで読んだ限りでは面白さという点では一番低いと思った。

舞台が札幌から離れたためだろうか。それとも自然の中での逃走や格闘など、これまでとは異なる状況設定のせいだろうか。

どこかほかの本か映画で見たようなシーンがあり、今一つ世界に入れなかった。

とりあえず、メモ代わり。

東 直己 消えた少年

消えた少年 (ハヤカワ文庫JA)消えた少年 (ハヤカワ文庫JA)
(1998/06)
東 直己

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学校では問題児扱いだが映画が大好きな中学生、翔一と知り合い意気投合した(俺)。ところが、翔一の親友が惨殺死体で発見され、一緒にいたはずの彼も行方不明となってしまった。変質者による誘拐か?暴力団がらみなのか?それとも、学校をも巻きこんだ障害者施設反対運動に関係があるのか?担任の教師、春子に翔一の捜索を依頼された(俺)は、彼の姿を探してススキノを疾走する!新感覚ハードボイルド長篇第三作。(AMAZON内容紹介)

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この作家は若者への怒りの量が多いのか、今の若者を物語のどこかで、それも結構な重要なポイントで絡ませることが多い。そしてその若者は結構なアホなのだ。

現実の若者がこの作者の言うような理不尽な行いをしているのかは私にはわからないのだけれど、作家という人たちは少なくとも私よりは世間を、今の若者を知っているだろうから、物語そのままではないにしろ、近しいところがあるのだろう。

物語は相変わらず面白いです。

東 直己 バーにかかってきた電話

バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)
(1996/01/01)
東 直己

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いつものバーで、いつものように酒を呑んでいた「俺」は、見知らぬ女から、電話で奇妙な依頼を受けた。伝言を届け相手の反応を観察してほしいという。疑問を感じながらも依頼を果したのだが、その帰り道、何者かによって殺されそうになった。そして、ひとり調査を続けた「俺」が知ったのは依頼人と同じ名前の女が、地上げ放火ですでに殺されていたことだった。(AMAZON内容紹介)

映画版「探偵はバーにいる」の下敷きとなった作品だ。

前作と同様に若干の冗長さは感じるのだけれど、それはそれとして面白さは間違いない。

先に映画を見ていると本を読むときに困る。個人的には本が先で映画を見た方が楽しめる気がする。

沢村 凜 瞳の中の大河

瞳の中の大河 (角川文庫)瞳の中の大河 (角川文庫)
(2011/10/25)
沢村 凜

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「最後まで気高く生きる軍人の生涯を描いた長編ロマン」だそうです。第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞した作品らしいです。

ファンタジーの大作だというは分かります。しかし、どうも入り込めませんでした。

ネットでちょっと調べるとそこそこに評価が高いのです。ということは私の感覚と合わないだけと言った方が良さそうです。

文章は客観的事実を羅列してあります。登場人物、特に主人公の軍人アマヨク・テミズの主観はあまり語られません。主人公の出世の歴史が淡々と語られる物語と言っても過言ではなさそうです。

読んだのはこの作品だけなのでまだ何とも言いようは無いのですが、この作品に限って言うと、物語の筋は面白い、しかし、その世界には入れない、としか言いようがありませんでした。

小川 一水 天冥の標6 宿怨 PART1

天冥の標6 宿怨 PART1 (ハヤカワ文庫JA)天冥の標6 宿怨 PART1 (ハヤカワ文庫JA)
(2012/05/10)
小川 一水

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西暦2499年、人工宇宙島群スカイシー3で遭難した《救世群》の少女イサリは、《非 染者》の少年アイネイアに助けられた。 二人は、氷雪のシリンダー世界を脱出するた めの冒険行に出発するが――。 一方、太陽系世界を支配するロイズ非分極保険社団傘下の、MHD社筆頭執行責任者ジェズベルは、 近年、反体制活動を活発化させる《救世群》に対し、根本的な方針変更を決断しようとしていた。 大いなる転換点を迎える第6巻前篇(AMAZON内容紹介)

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スケールは大きいのですが、昔ながらのSFファンとしては、いわゆる「新しい波」の時に感じたような若干の読みにくさを感じました。

物語として何となく回りくどいと言うか、冗長と言って良いのか、とにかく理屈が先にある感じがして、その世界に入りにくいのです。

全6部、文庫本にして8冊?を読み切るのだから読む価値が無いほどに面白くない、などと言う気はありません。それなりに面白いとは思うのだけれど、時間を忘れて読みふける、とはいかないのです。

ただ、各巻の根底には全体を流れる大きなストーリーがある中、各巻が独立しても読める物語であり、最終巻でそれらの物語が結末に収斂していく、その手法自体は珍しいものではないのだけれど、最終巻でこそ全体像が見える面白さ、というのはあるのでしょう。

それにしても、作家と呼ばれる人たちのイマジネーションの豊かさには脱帽します。

本業が忙しく、なかなか本を読めず、又感想も書けません。

東 直己 フリージア

フリージア (ハルキ文庫)フリージア (ハルキ文庫)
(2000/09)
東 直己

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ススキノ探偵や私立探偵畝原とは全く異なるピカレスクロマンと言って良いのでしょうか。 一種のファンタジーとして読みました。スーパーヒーローの活躍する物語です。

主人公の榊原はストイックで、強さは半端なく、普段は片田舎で木工製品を売って生活の糧にしています。そこに昔の兄貴分が、かつての恋人との安全との引き換えに助っ人を頼みに来たことから物語は動き始めます。

かつての恋人の身の安全を取引の材料にしただけで、この兄貴分を殺し、更に恋人の情報を知っているだろう昔の仲間を殺しに札幌の街に現れるのです。読み手には物語の背景情報は全く与えられず、話が進むにつれ少しずつ明かされます。

面白い物語というものは登場人物のキャラクタ設定がよくできているとあらためて感じさせられた作品でした。

かつての西村寿行の本は全くの荒唐無稽なスーパーヒーローの活躍の物語でした。この作品は、西村寿行よりはり現実的ですが、ススキノ探偵よりは夢物語です。

でも、面白い。

文体を別にすれば大沢在昌の小説に出てきてもおかしくない主人公のような気がします。北方謙三には出てこないでしょう。

東 直己 渇き

待っていた女・渇き (ハルキ文庫)待っていた女・渇き (ハルキ文庫)
(1999/12)
東 直己

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読んだのは新刊書だったのだけれど、「待っている女」という中編(?)も載っているし、文庫本の写真を載せています。


やはり、というか、それなりに面白く読むことができました。

ただ、どうしても「ススキノ探偵」の「俺」と比べてしまうのだけれど、ススキノ探偵の方が私の好みではありました。

どこが違うのだろう、と考えてみると、まず、ススキノ探偵の方が時間的に後で書かれている、という点があります。その分作者の表現力が増して読み手として満足できたのかもしれません。

でも、一番の理由は登場人物のキャラクターでしょうか。ススキノ探偵の方が軽妙ですっきりしています。こちらは、娘持ちで生活感一杯です。

何より、作品として、他の作家のハードボイルド作品との差別化があまり無い感じがします。

ストーリーは面白いです。でも、そこに「畝原」で無ければならない必然性があまり感じられず、他の作家の作品を押しのけてまでこの本を読みたいと思わせるものが今一つの感じです。

でも、この作家の作品はまたすべて追いかけて読むと思います。

道尾 秀介 笑うハーレキン

笑うハーレキン笑うハーレキン
(2013/01/09)
道尾 秀介

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ホームレス家具屋東口。その男のもとにある日突然弟子志願の若い女が現れ、ホームレスたちとの奇妙な共同生活が始まる。文字どおりの"疫病神"に付きまとわれている東口は、ある日奇妙な本棚修復の依頼を受ける。仕事、仕事で結局は会社を失い、更には子供まで死なせてしまった男、東口の回生の物語。

この作家はまだ2冊しか読んでいないのではっきりとは言えないのだけれど、作風は決して明るくはない感じがします。

一応本書も未来志向と言っても間違いではないのだけれど、どうもその未来がバラ色を感じさせないのです。

物語としては、巧妙に張られている伏線が終盤生きてきて話の展開が良く練られている印象がして、面白いです。ただ、派手なアクションといった展開とは無縁のお話なので、その手の物語を期待している人には向きませんね。

でも、主人公の回生の物語として楽しめば十分に楽しめると思います。

東 直己 探偵はバーにいる

探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)
(1995/08)
東 直己

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最初にこのシリーズの「探偵、暁に走る」を読んだのは良かったのか、悪かったのか。

後輩から恋人探しを頼まれた「俺」は気楽な気持ちで依頼を受ける。どうもその恋人は売春行為を行っていたらしい形跡はあるが、なかなかその姿を現さない。そのうちに子供と言って良いグループから襲われたり、不穏な空気が漂い始める。

本作から「ススキノ探偵」の活躍が始まるのだが、まだ常連組の顔合わせ的な感じが残る。

「探偵、暁に走る」では台詞回しも軽妙で無駄を感じさせることはなかったのだけれど、本作ではその軽口が冗長に感じる場面が少なからずあった。これはやはり、作者の経験の差だろうか。それとも読み手の問題なのだろうか。

この後数冊を借りているのでこの作者を続けて読んでみれば分かるのでしょう。

でも、最初に本作品を読んでいたのだとしてもやはりこの作者を追いかけて続けて読んだであろうことは間違い無いほどに面白い。

東 直己 探偵、暁に走る

探偵、暁に走る―ススキノ探偵シリーズ (ハヤカワ文庫JA)探偵、暁に走る―ススキノ探偵シリーズ (ハヤカワ文庫JA)
(2010/01/10)
東 直己

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これは面白い。

私の感性にピッタリとはまった作品でした。

こういうことは滅多にないから、たまにあるととても嬉しい。

そもそもは、大泉洋主演の映画「探偵はBARにいる」がそこそこ面白かったので、原作でも読んでみようか、という軽いノリでした。例によって、図書館で丁度「東 直己」という著者名があったので即借りた次第です。500頁を越える分量なので少々分厚い、と思ったのだけど、一気に読んでしまいました。

まさか主人公が50歳のおっさんとは思ってもみなかったけど、読み終えてみると大人のハードボイルドでした。

北方謙三の「ブラディードール」シリーズや「街」シリーズのちょっとキザでかっこいい男たちとはまた違います。

同じようにかっこいい男ではあるのだけれど、キザではありません。軽妙な会話と言いまわしは読んでいて非常に小気味よく、早速次の作品を読まなければ、と思わされました。

登場人物も個性的な人物が描かれており、その夫々が魅力的です。

一作目の「探偵はバーにいる」から順に読んで、各登場人物の背景を知りたいと、そう思わせる作品です。

ハードボイルドが好きな人なら読むべきですし、好きでない人も多分、このシリーズは好きになると思います。

この作家を知らなかった私が恥かしい。

ドラゴン・アイズ

ドラゴン・アイズ [DVD]ドラゴン・アイズ [DVD]
(2012/08/08)
ジャン=クロード・ヴァン・ダム

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予告篇に騙されて借りてみました。

殆ど時間の無駄と言って良い映画でした。

ジャン=クロード・ヴァン・ダムが出てるのでそこそこ見れると思いきや、これがまた、刑務所の中での師匠という設定なので殆ど出てないに等しい。

予告編のアクションシーンが面白そうと思ったのだけれど、本編でもその予告編で見せられたアクションシーンしかありませんでした。

そのシーンすらも、主人公のアクションのキレの無さに今一つ乗り切れず、結局そのまま終わってしまいました。あの、もうおじさんと言って良いシルヴェスター・スタローンでさえ、アクションシーンは結構面白くできているのです。

しかし、本作の主人公は(カン・リーという人らしい)まだ若いのに、キレがないと思われてしまう。これは本人の問題と言うよりも演出の問題なのでしょうか。映画の始めの方のアクションシーンはスローモーションの多用が若干鼻につくものの、そこそこ見れたので、それを思うとやはり演出の問題でしょうね。

まあ、ストーリー自体もフラッシュバックなどを多用し、凝った手法なのかもしれませんが、現実には分かりにくいと感じるころをみると、演出に難ありと言わざるを得ないと思います。

とにかく、時間の無駄と言わざるを得ない映画でした。

高野 和明, 阪上 仁志 夢のカルテ

夢のカルテ (角川文庫)夢のカルテ (角川文庫)
(2011/12/22)
高野 和明、阪上 仁志 他

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銃撃事件に遭遇した麻生刑事は、夜毎の悪夢に苦しめられていた。心理療法を受けようと決意した彼は、来生夢衣という不思議な雰囲気をたたえた女性カウンセラーと出会う。やがて麻生は、夢衣に特殊な力があることを知る。彼女は、他人の夢の中に入ることができたのだ―。夢の力を信じた二人の愛の物語。(AMAZON内容紹介) -----------------------------------------------------

高野 和明の他の作品とは全く文体も文章の印象も異なる作品でした。

二人共同でストーリーを作成し、高野が執筆した、と最後に書いてありました。

しかし、ストーリーにもう一人別人が加わるだけでこんなにも印象が変わるものでしょうか。

重いテーマも正面から描いていたこの作家にしては、確かに全く新しい心理学という分野で、それまでとは異なって主人公が女性だとはいっても、単に物語だけ読んでみたら別人の作と思うに違い程異なっているのです。

内容にしても、この作品に関してはあまり心に残るものではありませんでした。ロマンスものだからでしょうか。

とにかく、残念の一言に尽きます。

今野 敏 晩夏 - 東京湾臨海署安積班

晩夏―東京湾臨海署安積班晩夏―東京湾臨海署安積班
(2013/02/15)
今野 敏

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昨日、森詠の「彷徨う警官」を読み終え、次いで今日、作業の合間に本書を読み終えました。 そのくらい軽く読めるということでもあるのですが・・・。

やはり、物語自体と言うよりも、登場人物の設定、話の運び方が今野敏は格段に面白い。作品を比べること自体申し訳ないのだけれど、「彷徨う警官」に比べ人物設定が今野敏の方が明確で分かりやすいのです。

更に言えば今野敏の方が会話が自然で淀みありません。主人公の安積は常に人に配慮し、その顔色をうかがっていながら、それでいて安積は安積らしく、また速水は速見らしく話しています。そして、その会話の運びの中で物語は進んでいくのです。

何よりも今野敏の作品は物語自体ではなく、人間関係を主題に書いており、一種の人情もののような心地よさがあるように感じられます。言い過ぎかもしれないけど、ストーリーはそのあとを付いてくるだけなのです。謎解きの要素は二の次で、人間が一番なのです。

登場人物の一人、若手の谷口という刑事の成長ぶりも、ステレオタイプという向きもあるかもしれませんが、定番の良さがあります。

安積班シリーズの面白さは、あの87文書シリーズにも似た、安積とその仲間たちとのチーム、人間関係の面白さだと思われ、本書はまさにその面目躍如たる作品だと思います。

森 詠 彷徨う警官

彷徨う警官彷徨う警官
(2011/06/17)
森 詠

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森詠という作家は、20年ほど前に「影の逃亡」や「雨はいつまで降り続く」などの冒険小説にはまり、「燃える波濤」のスケールの壮大さに圧倒された記憶があります。

しかし、「燃える波濤」の続編が出ない。確か2部あたりまで読んだだけで、その続きが出ない。自衛隊の海外進出についての物語だったと記憶するものの、あまりに待たされているうちに他の作品まで読むのを止めてしまいました。

今では「影の逃亡」にしても「雨はいつまで降り続く」にしてもその内容は全く覚えていません。

その後、船戸与一などの日本の冒険小説家もスケールの大きな読み応えのある作品を発表する人たちが増えてきたこともあり、森詠という作家は私の頭の中からは消えてしまっていました。

ところが、図書館で目の前に森詠の本があったのでついつい借りてみました。

それが本書なのですが、一言で言えば往年の面白さはまったくありませんでした。どうしたんだろうという思いの方が強いのです。

高校生時代に殺された恋人の仇を討つために警官になり、やっとその事件にめぐり合うことが出来、時効の壁は自分には関係はないと、ひたすら犯人を追いつめる主人公ですが、その主人公や主人公を助けようとする元刑事たちの設定が今一つ消化しきれておらず、その会話文にしても小さな違和感がずっと残ってしまいました。

台詞は説明的だし、キャラクターも個性があるとは言えません。私が面白いと思っていたあの作家はどこへ行ってしまったんだろう。昔は波長が合ったはずなのに、私が変わったのか、琴線に触れるものがありませんでした。

残念の一言に尽きます。

今野 敏 時空(とき)の巫女

時空の巫女 (ハルキ文庫)時空の巫女 (ハルキ文庫)
(2009/05)
今野 敏

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典型的な化ける前の今野敏の作品そのものでした。

アイドルを売り出そうとする主人公飯島、自衛隊情報部の担当者とアメリカの心理学者、それに超能力者かと思われる二人の「チアキ」という女の子の世界を救う物語。

超能力もの、とも言えそうだけど、そうでもなく、「渾身のSF長篇」との謳い文句のわりには、SF色もあまりない。ただ、超能力者かと思われる二人の「チアキ」という女の子の能力の説明に終始しているだけの、ちょっと中途半端な作品でした。

今野敏の作品ににはたまにこの手のどっちつかずの作品があります。

まあ、一時間ほどで読み終える程度の薄い本でもあり、こんなものかというところでしょう。

病院の待ち時間に読み終えました。

やはり今の今野敏が良い。

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siro

Author:siro
このブログの本棟として本の紹介のサイトを開いています。
(こちらです⇒読んだ屋
本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

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