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青山 文平 流水浮木

流水浮木: 最後の太刀流水浮木: 最後の太刀
(2013/06/21)
青山 文平

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四谷大木戸の外の百人町に住む大久保組伊賀同心の山岡晋平には川井佐吉、小林勘兵衛、横尾太一という幼馴染がいた。ひと月に四、五回程の大手三之門の門番の日以外はサツキの苗の栽培により三十俵二人扶持の生計を補っている身であり、その身分に十分に満足もしていた。しかし、伊賀衆の中には本来は忍びである筈の伊賀衆が門番という身分に甘んじている、という事実に屈託を抱えているものも居た。ある日、川井佐吉が殺されたことにより、残された三人の運命が転がり始める。

主人公山岡晋平ほか還暦を過ぎた老骨三人の青春記と言っても間違いとは思えないようです。

本来は隠密御用を勤める身である筈の伊賀衆としての存在意義を確認する、そのことに情熱を燃やす仲間とそれを助けんとする晋平。子供の頃餓鬼大将であった勘兵衛と短気の太一が、還暦を過ぎた今でも仲間として行動するその様は同世代の私には他人事ではなく、自分自身の居場所を探すと言うその意識自体に共感を覚えます。これは同世代の人たちには共通する思いではないでしょうか。

青山文平という人は侍が侍として在るそのことをこれまでの作品で書いておられます。

本書の背景とする時代は「安永」年間という設定です。著者の言う「武家の存在じたいの矛盾が浮かび上がる」時代であり、「武家はそれぞれに自己のアリバイを模索せざるをえ」ない時代であって、ドラマが生まれ易い時代だと言います。三十俵二人扶持という軽輩の身とはいえ、自分という存在自体を見つめる武士の物語であり、仲間と共に自分探索に向かう青春の物語だと感じたのです。

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本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

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