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佐伯 泰英 浅き夢みし: 吉原裏同心抄(二)




吉原裏同心抄と題された、吉原裏同心新シリーズの第二弾です。



麻の願いで出かけた鎌倉の旅も終り、常の日々に戻った幹次郎たちだったが、柘榴庵では麻のための別棟の建設も順調に進んでいた。また、前巻で問題を起こした桜季が、また騒ぎを起こしそうになり、なんとか花魁への道を歩ませようとする幹次郎だった。

一方、鎌倉で襲われた「吉原五箇条遺文」に絡む一件は吉原内部から情報が洩れたと思われた。そこで、吉原での不審な出来事を調べると、江戸町にある半籬の萬亀楼の長男である増太郎が絞殺されていた。萬亀楼の当代の主は古希を過ぎた勇佐衛門であり、世話役も務めていて「吉原五箇条遺文」について知りえる立場にあったらしい。

南町奉行所定廻り同心の桑平市松に増太郎殺しの詳細を調べてもらうと、南本所番場町を縄張りにする本所の源助が、倅の暗がりの規一郎にやらせたのではないかというのだった。



加門麻の柘榴庵での別棟の建設も順調にすすみ、幹次郎、汀女との家族としての暮らしも軌道に乗り始めます。そして、幹次郎の身辺でも「吉原五箇条遺文」に絡む暗躍があり、本巻になってやっと新しいシリーズが動き始めたようです。

とは言っても、幹次郎は既に前巻での鎌倉への旅で何者かに襲われており、それは「吉原五箇条遺文」に関係した襲撃であったと思われるのですから、新シリーズの第一巻目からその布石はあったと言えます。

ともあれ、前巻での旅の物語とは異なり、まさに本シリーズの舞台である吉原の物語が展開されます。


廓の外に出た薄墨こと加門麻も新しい生活が始まったとはいえ、かつての自分の禿であった桜季はまだ何か屈託を抱えているようでもあり、吉原との繋がりは切れてはいません。

汀女も玉藻の結婚などもあって、店を切り盛りを任されている状態でもあり、やはり吉原との縁は強いものがあります。

そして幹次郎も、改めて「吉原五箇条遺文」の問題が浮かび上がり、今後も吉原の存続に力を尽くす必要がありそうです。


とはいえ、新シリーズに入る前に思っていたほどには物語の展開に変化は無いように思えた本書の流れでした。せっかくシリーズを一新したのですから、今後の思い切った展開を期待したいと思います。

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