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今井 絵美子 夢草紙 人情おかんヶ茶屋

夢草紙人情おかんヶ茶屋 (【徳間文庫】)夢草紙人情おかんヶ茶屋 (【徳間文庫】)
(2012/04/06)
今井絵美子

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「夢草紙人情ひぐらし店」の続編という位置づけのシリーズなのですが、その前のシリーズを読まずに本書に手を出してしまいました。

表題の「おかんヶ茶屋」の女将のお幅は、今後はどのように変わるのかは分かりませんが、少なくとも本書では彼らの話を聞き、たまに料理を差し入れするだけで、狂言回し的な立場でさえもありません。主人公はあくまで「ひぐらし店」の面々です。これはこれで面白い構成ではあります。

先日読んだ「忘れ扇 髪ゆい猫字屋繁盛記」でも書いたように、登場人物の会話が実に独特な言いまわしです。以前読んだ「立場茶屋おりき」ではそんなことは無く、もっとしっとりと落ち着いた文体で、ゆっくりと読むことが出来たように思ったのですが、しばらくこの作者の作品を読まなかった間に、この作者の作風が変化したのでしょうか。

違うシリーズを読んでみて更に思うのですが、特に本書では悪人が出て来ません。お幅の営む「おかんヶ茶屋」にひぐらし店の面々が集まり、この店で様々なことを話すのです。一般庶民の常として様々の問題が起き、それを皆で一致団結し、皆で解決するのです。やくざの存在は示唆されても、それは会話の中で出てくるだけで、登場人物としては出て来ずに会話の中で解決していきます。読んでいて、もう少し毒があっても良いな、と思うほどです。

繰り返しになるかもしれませんが、ひぐらし店の面々の皆がよく話します。よく交わされる会話の中でその舞台の状況説明が為されていくのです。この点が少々気になります。

良い人達が助け合って生きる物語が心が温まっていい、という人にはもってこいのお話です。

こうした点は個人的な好みなので、この作風が好みの方もいらっしゃることでしょう。

しかし個人的には、かつて読んだ落ち着いたこの作家の文章をもう一度読みたい、と思ってしまいました。武家ものでは今でもそうなのか、確認の意味も込めて読んでみましょう。

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