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杉本 章子 大奥二人道成寺 お狂言師歌吉うきよ暦

大奥二人道成寺 お狂言師歌吉うきよ暦 (講談社文庫)大奥二人道成寺 お狂言師歌吉うきよ暦 (講談社文庫)
(2011/12/15)
杉本 章子

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お狂言師歌吉シリーズの二作目です。

前作で同輩のために顔に傷を負う身になった歌吉ですが、しばらく悩みはしたもの持ち前の明るさから再びお狂言師の道を歩み、隠密の手伝いも無事終えたところから今回のお話が始まります。

とあることから坂東流名取である照代と共に居るところを賊に襲われます。再び自分が襲われたと思った歌吉ですが、実は襲われたのは照代でした。照代が将軍のお手付きであったことから、歌吉もまた大奥の陰謀に巻き込まれることになるのです

前作でもそうだったのですが、全編を通して小粋な雰囲気に仕上がっており、これまでの時代小説とは少し趣が異なります。その上、今回は前作の出版から三年が経っているからなのか、このシリーズに慣れたからなのか、お狂言師というキャラクタが実に生き生きとしているのです。

大奥のしきたり、決まりごとやそれに伴う所作等々、見知らぬ情報がふんだんに盛り込まれています。例えば大奥ではお狂言師とは言わずに、お茶所(おちゃどこ)とかお茶の間子供などと言うらしいなど、さりげなく会話の中に織り込まれています。更にはよく聞く女同士の戦いが描かれているところも見所です。

そうした大奥での照代と歌吉の二人での「道成寺」を踊る場面は圧巻です。日本舞踊のことが分からない私でも十分にその雰囲気を味わうことが出来ました。

更には歌仙や照代の恋、また歌吉を挟んでの前作でも登場していた二人、公儀隠密の日向新吾と材木問屋角善の跡取り息子宗助の振舞いも色を添えています。

物語の終幕には、更にまたひとつ、ほろりとさせられる人情話も付け加えてあり、堪能できる物語でした。

この後、まだ第三作目があるそうなので、早速に読みたいと思っています。

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