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杉本 章子 名主の裔

名主の裔 (文春文庫)名主の裔 (文春文庫)
(1992/05)
杉本 章子

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本書は中編「名主の裔」と、短編「男の軌跡」との二作品を収納しています。

「名主の裔」は幕末の黒船来航の頃から明治期に至るまでの、斎藤市佐衛門(月岑)という実在の名主の日常を描いた作品です。

江戸の町の町人地の支配は町奉行の下に三人の町年寄がいて、その下に町名主が居たそうです。その町名主には簡単に言うと、徳川家康の時代からの名主が『草創(くさわけ)名主』と呼ばれ、それ以降に町奉行支配になった町の名主が年代などにより『古町(こちょう)名主』、『平名主』それに『門前名主』と呼ばれています。本編の主人公の斎藤市佐衛門は神田雉子町に住んでいる草創名主二十四家のひとつ斎藤家の九代目です。号を月岑(げっしん)と言い、「江戸名所図絵」「東都歳時記」「武江年表」などの著作を著している、江戸最後の名主です。

当時の江戸の町の様子を斎藤市佐衛門の眼を通して描いた作品だと言えるでしょう。身勝手な幕府の役人の下で振りまわされる名主の姿や、明治期になっても同様に新政府の役人の勝手なお達しに右往左往する名主たちの姿が描かれています。

エンタテインメント性はありません。あくまで斎藤市佐衛門の眼を借りた客観的な名主たちの行動の記録と言えると思います。勿論親子三代で作り上げた「江戸名所図絵」についても語られていますが、主題ではありません。

本書が出版されたのが1989年であり、前に紹介した1988年出版の「東京新大橋雨中図」の次に発表された作品のようで、この両作品は雰囲気もよく似ています。近年の「東京影同心」(2011年)の作風からすると別人のようです。

「男の軌跡」に至っては更に暗い話で、幕末に実在した儒学者、寺門静軒の物語です。仕官を願うもかなわず、結局、「江戸繁昌記」という江戸の風俗を記した本を出版するのです。

著者のデビュー作だそうで、この作品だけを先に読んでいたら、多分以後はこの作家の作品は読まなかったでしょう。面白くないというのではなく、好みではないということです。

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お上

 ようやく税務記帳が終わり、申告をしてきます。
お上の決まりをすることは、すごく億劫です。

 東北大震災から3年、自然の牙はいつ何時どのようにやってくるのかわからない、自然ならば桜でしょ。
輪違や糸里の世界から京都の造形を思い描いて楽しんでいます。

Re: お上

>  ようやく税務記帳が終わり、申告をしてきます。

申告の季節ですね。収入の少ないわが身は簡単なものです。
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