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木内 昇 櫛挽道守(くしひきちもり)

櫛挽道守櫛挽道守
(2013/12/05)
木内 昇

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主人公の登瀬は、名人と言われた父吾助のもと、自分も父のように櫛を引きたいと願い、ひたすらに家の作業場である板の間に執着して生きていきます。そうした自らの意思を貫こうとする姉の姿に妹喜和は反発心を燃やし、母はひたすらに家を守ることを大事と考え、女だてらに技術を覚えようとする登瀬に女のあるべき姿としての家を守ることを教えるのみでした。世の中は黒船の来航により攘夷や勤皇の嵐が吹き荒れているにも拘らず、登瀬にとっては板の間こそが世界であり全てだったのです。

中山道は木曾山中の藪原(やぶはら)宿を舞台とする、暗いトーンの物語です。職人の娘である主人公の登瀬の成長譚という側面も見えますが、明治維新という時代を背景にした一人の女の自分の意思で自分の生き方を選択しようとする女の職人としての生き様に焦点が合っているようです。

テーマとなる櫛、それも「お六櫛という藪原名産のこの櫛は、飾り櫛とも解かし櫛とも異なり、髪や地肌の汚れを梳(くしけず)るのに用いられている。」そうです。また「梳櫛であるがゆえにとりわけ歯が細かく、たった一寸の幅におよそ三十本も挽かねばならない」のです。これほどに間隔の狭い櫛の歯を、「吾助は板に印もつけもせず、勘だけで均等に引くことができる」のです。父吾助はこのような職人であり、この父の技を盗むべく、登瀬はただひたすらに父の刻むリズムを体に覚えさせようとするのです。

重要な登場人物として登瀬の弟の直助の存在があります。物語の全体を通して、節々に早世した直助の書いていたという物語が登瀬の前に現れます。同時に、直助と共に旅人に直助の書いた物語の載った草紙を売っていた源次という男も登瀬の心の片すみに残る男として現れます。

もう一人実幸というこれもまた天才肌の男が職人として吾助と登瀬の前に現れ、登瀬の家に住み込みとして働き、吾助の技を学んでいきます。この男もまた重要な役目を担っています。

家の跡取りとなる男子を産み、家を守ることこそが女の務めであった時代に、職人として生きることを選んだ一人の女の生き様が描かれており、親子、家族、そして夫婦の在り方まで考えさせられる一冊です。

決して軽く読める本では無いし、エンターテインメント性に富んでいる本でもありません。そうした作品を好む方には向かない本でしょう。

蛇足ながら、木曽のお六櫛公式サイトでは「薮原では一口に『お六櫛』と総称していますが、その種類は多義にわたり、梳き櫛・解かし櫛・挿し櫛・鬢掻き櫛などがあります。」と記されていて、若干『お六櫛』についての説明の記述が違います。少々気になりましたので記しておきます。

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くし

くし、ある時ブラシを使っていました。
2008年に四国を歩く決心をしてから、髪はパナソニックのバリカンで上2cm、横1cmひげ==私はだいぶ以前からひげを生やしていました。
ひげは6分にしています。床屋さんとその時から縁が無くなりました。

今も自分でバリカンを使って髪を刈っています。
櫛はいつの時代にか私の周りから消えています。

浅田次郎の「一路」に髪結い流しが出てきます。
腕のいい職人で、彼が櫛を使い田舎侍をいっぱしの武士に仕上げる話があります。

Re: くし

> くし、ある時ブラシを使っていました。
> 2008年に四国を歩く決心をしてから、髪はパナソニックのバリカンで上2cm、横1cmひげ==私はだいぶ以前からひげを生やしていました。
> ひげは6分にしています。床屋さんとその時から縁が無くなりました。

私は髪は短くしたことがありません。
でも、床屋さんに行かなくていいのは良いですね。

> 今も自分でバリカンを使って髪を刈っています。
> 櫛はいつの時代にか私の周りから消えています。

髪は普通の長さですが、櫛は使いませんね。
洗ってそのまま、手櫛です。

> 浅田次郎の「一路」に髪結い流しが出てきます。
> 腕のいい職人で、彼が櫛を使い田舎侍をいっぱしの武士に仕上げる話があります。

「一路」は未読です。
近いうちに読もうと思っている本です。
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