FC2ブログ

田牧 大和 緋色からくり―女錠前師謎とき帖〈1

緋色からくり―女錠前師謎とき帖〈1〉 (新潮文庫)緋色からくり―女錠前師謎とき帖〈1〉 (新潮文庫)
(2011/09/28)
田牧 大和

商品詳細を見る

近年は時代劇ブームだそうです。そのブームに乗ってか需要の拡大に合わせて供給方である時代劇の新しい書き手が次々と現れていると言ったのは、今読み終えたばかりの辻堂魁の『風の市兵衛』のあとがきにあった細谷正充氏の言葉です。その辻堂魁氏の小説も実に面白かったのですが、本書もそれに劣らずの掘り出し物のエンターテインメント小説でした。

まず、キャラクター設定がいい。主人公は「どんな錠前も開ける」と評判の女錠前師で、名前はお緋名(ひな)。「どんな盗人、錠前破りも尻尾を巻いて逃げだす」錠前職人だった父常吉の腕を継いでいます。

そのお緋名が襲われた。そこに現れたのが幼馴染の元大工町で髪結いをしている甚八から頼まれたという榎康三郎という浪人だった。榎康三郎とは何者なのか。お緋名は何故に襲われたのか。次第に四年前に死んだ恩人のお志麻の死との絡みが明らかになっていく。

主人公のキャラもさることながら、忘れてはならないのが、大福という名の猫の存在です。おっとりした性格で、見た目のとおり敏捷さに欠ける、猫らしくない猫だそうです。この猫の存在が場面々々で雰囲気を和らげているのです。

勿論、文章も読みやすく、楽に読むことが出来ます。これまでによんだ新しい時代小説の書き手と言われる作家さんの中にはストーリーが何となく中途半端な作品や、筋立てに無理があったり、矛盾があったりする作品が少なからずあったのですが、本書はその心配もありませんでした。楽に読め、なお且つ筋立ても面白いのです。

本書の副題に「女錠前師 謎とき帖」とあるように、本書はミステリー仕立てになっています。と言っても本格的な探偵ものという訳ではなく、謎解き風味の時代劇エンターテインメントと言えるでしょう。

ユニークなキャラをメインにした娯楽小説です。シリーズ続編で榎康三郎という存在が変わらずにでてくるのか、また新しい登場人物が出てくるのか分かりませんが、早速次の作品を読みたいと思わせる作品です。

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

残暑お見舞い申し上げます。


 家は夏なので千錠しないで開けっ放しになっています。
朝日新聞の勧誘員がセールスに来ました。

 不用心の家は我が家ぐらいだと思っています。
鍵師不要の家です。

 今日は風が東西南北の窓から入ってきます。
プロフィール

siro

Author:siro
このブログの本棟として本の紹介のサイトを開いています。
(こちらです⇒読んだ屋
本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR