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水田 勁 江戸ながれ人

江戸ながれ人-紀之屋玉吉残夢録(4) (双葉文庫)江戸ながれ人-紀之屋玉吉残夢録(4) (双葉文庫)
(2014/07/09)
水田 勁

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少々本業が忙しく、気づいたら一月以上の間が空いていました。少しずつでも読んではいるので、もう少し間隔を詰めるようにしなくては。

ということで、9月の初めには読了していた作品です。

箱師の正平、芸者の染吉、半玉の雛菊、ちづという門前仲町の置屋紀之屋の面々、目明しの喜久造の子分の伊之助、そして用心棒代わりの玉吉らは本所五ツ目(今の東京都江東区大島)にある五百羅漢寺に来ていた。田圃の真ん中に立つこの寺のさざえ堂の回廊は三階建であり、江戸全体が一望できる名所だった。「火事だ!」との声をもとに見やると、北側の亀戸方面に半里(二キロ)程先に煙が上がっている。早速様子を見に行くことになった一行だったが、そこで不審な侍たちとすれ違い、更には裸の女を拾うこととなってしまう。また、焼け跡からは家主と思われる男と、侍の死体が見つかる。拾った女を匿うことになった玉吉らはこの侍をめぐり、とある藩の揉め事に巻き込まれることになるのだった。

巻を進めるごとに本シリーズの色がはっきりとハードボイルドになってきました。特に前巻はそうだったのです。本書はまた捕物帖としての色合いに戻るのかと思っていたのですが、前巻ほどではないにしろ、やはりハードボイルドでした。

拾った女とともに殺されていた侍の身分が明らかになるにつれ、事件の背景を探っていた玉吉は侍たちに襲われ、やっと一命を取り留めたりもしますが、なかなかにその展開が読者を引きつけます。謎解きそのものがメインではないのですが、その探索の過程での玉吉の活躍が見せ場を欠かしません。

ただ、玉吉の幇間という設定は本書でもあまり意味がありません。別に読み手がその点にこだわる必要はないとは思うのですが、ユニークな設定だけにもう少し幇間という職業を生かした筋立てを見せてもらいたい気もします。

本書は特に終盤に作者の力量が現れているような気がします。みえという拾われた女のキャラクターがどんどんはっきりとして来るのも面白いのですが、新たに玉吉の過去を知る人物が登場し、場面を盛り上げます。

ここらのみえという名の女や新しい登場人物の行動の描き方がへんに理屈っぽくなく、ざっくりと断定されていて実に小気味良く感じました。立ち回りの場面のテンポの良さも含めて読んでいて調子いいのです。というよりも私個人の好みに合致していたといった方が良いのかもしれませんが。

今後の展開が楽しみなシリーズです。

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No title

本業が忙しいって!
イイことじゃないですか~i-233

私の場合、本は楽しみで読めば良いと思っているのでボチボチですi-236

本書のシリーズも面白そうですね~
作品紹介が上手です!

友達に「読んだ屋」のブログを紹介したら、やっぱりsiroさんの文章が上手だと言ってましたよ~

無理なく楽しんでアップしてください。

Re: No title

> 本業が忙しいって!
> イイことじゃないですか~i-233

まあ、そうなんだけどね。

> 本書のシリーズも面白そうですね~

宇江佐真理などのようにしっとりと読みこむ本とはかなり違うけど、この本はまた違った面白さがあります。

> 友達に「読んだ屋」のブログを紹介したら、やっぱりsiroさんの文章が上手だと言ってましたよ~

有難う。
褒め言葉はそのまま受け取るので、そう言ってもらえれば嬉しいです。

確かに

 書評をこれだけ綴れることってすごい。
私も頑張っています。
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Author:siro
このブログの本棟として本の紹介のサイトを開いています。
(こちらです⇒読んだ屋
本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

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