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笹本 稜平 逆流 越境捜査

逆流 越境捜査逆流 越境捜査
(2014/03/19)
笹本 稜平

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警視庁刑事部捜査一課特命二係に属する鷺沼友哉(さぎぬまともや)は病院のベッドの上で眼を覚ました。傍には上司である二係の係長三好章(みよしあきら)と相方の井上拓海(いのうえたくみ)巡査、それに神奈川県警の嫌われ者の万年巡査部長である宮野裕之(みやのひろゆき)がいた。鷺沼は次第に自分のマンションの外階段で見知らぬ男に刺されたことを思い出す。何故自分が狙われたのか不明なままであったが、宮野は鷺沼の抱えている荒川河川敷で発見された白骨死体の捜査と、宮野自身が聞きこんだ殺人事件の端緒らしき事案との関連を疑う。それは小暮孝則という現職の参議院議員が持っていた家屋に絡んでくるかもしれないという、雲を掴むような事柄ではあったが、白骨死体の捜査が進む中、宮野の言葉が現実味を帯びて来るのだった。

本書は「越境捜査シリーズ」の四冊目の物語です。シリーズ一冊目の『越境捜査』は神奈川県警と警視庁の軋轢の中、鷺沼や宮野たちが単独で事件解明に走り回る、という舞台設定も面白く、物語もシリアスで結構面白い作品でした。 しかし、本書はその思いからするとかなり期待とは違った印象でした。

冒頭から鷺沼が刺されてしまう、という導入は良いのですが、そのためか当然鷺沼は現実にはあまり動き回れません。井上や宮野たちの持ってくる情報から全体像を推理することがメインになります。結局、本書の舞台は鷺沼のいる場所のみに限定され、空間的な広がりはほとんど感じられませんでした。

物語も十年前という時間の壁を設けて、立証を困難にする、そのことは良いのですが、どうしても事件解明に少しずつ無理を感じてしまうのです。

この作者の「天空への回廊」「未踏峰」「春を背負って」などの迫力のある読み応えのある作品を読んだ後なので、とても辛口に読んでいるのかもしれませんが、少々残念な読後感でした。

この作者であればもう少し、スケールの大きな物語展開を期待していただけに、アームチェア・ディテクティブとまでは言わないまでも、少々小じんまりとした印象は残念な物語でした。

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