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安生 正 ゼロの迎撃

ゼロの迎撃 (「このミス」大賞シリーズ)ゼロの迎撃 (「このミス」大賞シリーズ)
(2014/07/10)
安生 正

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前作の『生存者ゼロ』はパニック小説とても分類できる物語でした。思いもよらない存在による人類に対する危機を未然に防ぐべく感染症学者と陸上自衛官とを中心に活躍する話で、第13回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した作品です。しかし、大賞受賞作ということでハードルを高くして読んだためか、若干期待外れとも言える作品でした。

本作は、日本国憲法9条の解釈及びその解釈に基づく運用が大きく変わろうとしている今の時代背景を見越して書かれたのかもしれませんが、じつにタイムリーな作品と言えると思います。

ある日突然東京の街の真ん中でテロ攻撃が実行され、多数の物的、人的損害が出た。あまりにも虚を突いた攻撃のため、後手に回る政府。防衛庁情報本部情報分析官の真下俊彦三等陸佐は三人の部下と共に正体不明のテロリストに立ち向かう。が、テロリストの緻密な計算の上にたった行動は真下らの読みをも上回り、真下らも後手後手に立たざるを得ないのだった。

前作とは異なってミリタリーサスペンスと言って良いのでしょう。自衛隊の現下の状況を踏まえ、法律論までかなり踏み込んで書かれています。

序盤は正体不明のテロリストに対する政府の姿勢、行動を法律論として展開し、自衛隊出動の法的根拠を探しあぐねる姿が描かれます。その間にもテロリストに対峙している警察は次々と撃破され、死者は増すばかりです。ここで、後に野党らから追及される恐れを考慮し及び腰になる政治家らの姿が描かれるのは、こうした状況を描く小説のいつものパターンだと言っても良いでしょう。本書は法律論の展開がより詳しい点に特色があるかと思います。

そして、主人公に自衛隊の分析官を持ってきているところが新鮮です。ただ、情報分析官が第一線で活躍するわけにはいかないところが弱点で、その代わりとなる部下を配置しているのですが、これはそうしなければならなかった、というところなのでしょう。

テロリストにはテロリストなりの論理があり、それなりの主張が展開されるのが普通ですが、本書ではそうした展開ではなく、ハン大佐という個人の持つ理由を直接の理由としています。冷徹で優秀な軍人であるハン大佐の魅力が本書の見どころの一つと言えるかもしれません。

情報分析官の真下とハン大佐の対決はかなり面白く読むことが出来ました。

個人的には前半の議論の部分は未知の論点もあり、引き込まれて読みました。後半にはアクション満載の展開になるのですが、それはまた前半とは違った展開で手に汗握る面白さがあります。

個人的には前作よりも面白い作品だと思いました。

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テロと自衛隊

『生存者ゼロ』は読みました。
siroさんの書評でこのゼロの迎撃作品をぜひ読んでみたいですね。

実践体験の無い自衛隊がどこまで力があるのか疑問です。
自衛隊の予算が生きているかも疑問です。
ならば、ITを屈指する戦略があるように思います。

でも、無駄な戦はして欲しくはありません。

Re: テロと自衛隊

> 『生存者ゼロ』は読みました。
> siroさんの書評でこのゼロの迎撃作品をぜひ読んでみたいですね。

この本も内容が現実的かどうかは別として、物語の世界に浸ることが出来ればかなり面白い本だと思います。

> 実践体験の無い自衛隊がどこまで力があるのか疑問です。

関係者の言葉によるとかなりのものだと聞いたことがあります。
真偽は不明ですが。

> でも、無駄な戦はして欲しくはありません。

全く同感です。
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