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木内 一裕 バードドッグ

バードドッグバードドッグ
(2014/07/30)
木内 一裕

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この作家の作品はどんどん読みやすくなっている感じがします。

本書のシリーズ第一作目『水の中の犬』は別人が主人公で、本書に比べると少々暗いトーンで進行する物語でした。そこでの登場人物の一人だった男がその後の主人公の立場を引き継いだのが元ヤクザ矢能政男を主人公とする本シリーズです。前作の『アウト & アウト』からはコミカルな雰囲気をも漂わせながらも、こわもてのヤクザが主人公らしい暴力的な雰囲気を漂わせています。しかし、第一作のような暗さはなく、どちらかと言えば能天気で、栞との会話が実に微笑ましいのです。

矢能政男は自身の渡世上の親である笹川健三の兄弟分で、日本最大のやくざ組織菱口組の実力者でもあり唯一都内に本部事務所を構える二木善治郎から呼び出しを受けた。二次団体である燦宮会の理事長になる筈だった佐村組組長が行方不明だという。極秘の調査を進める必要があるものの、理事長の座をめぐる内部のごたごたのため内部の者では調査できず、かと言って外部にも漏らせない。そこで矢能のもとに依頼が来たのだった。

悪漢が主人公の小説と言えば大藪春彦や馳星周、楡周平らが思い浮かびます。それらの作品と比べると、本書やこの本の後に読んでいる黒川博行の『疫病神』などをそれらの作品と同様に考えて良いものか若干の疑問が残ります。というのも、本書の主人公は元ヤクザであり主人公が悪(ワル)ではあるのだけれど、その内実は栞という存在を出すまでも無くキャラクターの面白さが勝ったエンタメ小説だと思うからです。

馳星周らの小説は悪と定義される主人公の活躍を通してある種今の社会への抵抗とでも言って良いような主張を感じるのですが、本書はそこまでの背景は感じられません。どちらかと言えば浅田次郎の『きんぴかシリーズ』にも似て、エンタメに徹していると言えそうです。勿論馳星周らの作品もエンターテインメント小説であることには違いはないのですが、読後の印象が異なります。

本書は実に軽く読めます。徹底した強面ではありながら、内面の優しさが表に現れることを潔しとしない矢能の振舞いは読んでいて微笑ましいと感じます。人によってはこの点こそが疵だという人もいるかもしれませんが、私はこのような描写こそが心を掴まれるのです。

この作家は『喧嘩猿』という森の石松らが活躍する侠客ものとも言える面白い作品があります。続編が出ないものか、期待しているのです。

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面白そう

 その世界を、その世界のものが探るという筋書きが面白そうです。

Re: 面白そう

>  その世界を、その世界のものが探るという筋書きが面白そうです。

気楽に読めて、面白いですよ。
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Author:siro
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(こちらです⇒読んだ屋
本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

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