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月村了衛 機龍警察 自爆条項

機龍警察 自爆条項〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)機龍警察 自爆条項〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)
(2012/08/07)
月村 了衛

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機龍警察 自爆条項〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)機龍警察 自爆条項〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)
(2012/08/07)
月村 了衛

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機龍警察シリーズの二作目です。本書では「龍機兵(ドラグーン)」の操縦者の一人、ライザ・ラードナーに焦点が当てられています。

鶴見署の刑事は横浜港大黒埠頭で作業中の男に職務質問をかけた。声をかけられた男が懐から取り出したのは軽機関銃であり、一瞬のうちに刑事や同行した横浜税関大黒埠頭出張所の職員、近くにいたトレーラーの運転手などが射殺されてしまう。その上、犯人の男もコンテナ船に閉じこもった末に自殺してしまう。そのコンテナ船に格納してあったのは、既に組み立てのおわった完成形態の機甲兵装、通称キモノであった。日本国内ので大規模なテロが計画されている可能性があり、警視庁特捜部がその捜査を担当することとなった。

本作では本筋のテロリストとの対決の流れの他に、ライザ・ラードナーの過去が語られます。文庫本で上下二巻という長い小説の半分はライザ・ラードナーの物語なのです。そして、そのライザの過去と本筋の物語とが交錯し、IRAの歴史が現代のテロ行為へと繋がってくるのです。

本作では、悲惨という言葉では語りつくすことのできない過去を持つライザが何故にIRAから離脱したのか、また彼女が自らの命を絶てないのは何故か、といった疑問への回答が語られます。また、「龍機兵」の操縦者が警察官の中から選ばれない理由も示されます。そして、イギリスでのテロに巻き込まれ命を落とさざるを得なかった家族を持つ鈴石緑技術主任とライザの関係も明らかになるのです。

本書は再一作目に比して更に骨太になっている感じを受けます。シリーズものは二作目になると少しなりとも文章の迫力なり構成なりは落ちることが多いのですが、本書は、より緻密に練り上げられている印象すら受けるのです。相変わらず情緒過多とも言えそうな文章ですが、別に違和感を感じるほどではありません。

本書の半分はライザの物語だと書きましたが、ライザの話は常に悲惨です。不運をまとわりつかせて生きる女であり、そうしてしか生きていけない女でもあります。反面、終盤近くのアクションシーンは一気にたたみ掛けてきて、本を置くことができません。映像的ですらあります。

私がSF好きでコミック好きであるために、本書のような作品はより好みなのでしょうが、アクション小説が好みであれば是非一読してもらいたい小説です。

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本を置くことができません

 月村了衛 機龍警察シリーズ2作目が早々と出てきましたね。
書評の「本を置くことができません」は書評を読む側により気になる本となります。

 でも、ワインと合う本も読みたいし、時代小説も読みたいし、警察小説もすごく読みたい、読みたい本がいっぱいだ。

 昨日の日曜日、上野から浅草を歩きお好み焼きともんじゃ焼きを食べました。ビールも美味しかった。

Re: 本を置くことができません

>  月村了衛 機龍警察シリーズ2作目が早々と出てきましたね。
> 書評の「本を置くことができません」は書評を読む側により気になる本となります。
>
>  でも、ワインと合う本も読みたいし、時代小説も読みたいし、警察小説もすごく読みたい、読みたい本がいっぱいだ。

前にも書いたように、限りある時間なのです。
それでも読みたい本は山ほどありますね。
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