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矢月 秀作 もぐら

もぐら (中公文庫)もぐら (中公文庫)
(2012/04/21)
矢月 秀作

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直前に読んだこの作家の『リンクス』という作品が少々読み通すのにつらい作品だったことで本作品も読むのをやめようかと思ったのですが、一冊だけで決めつけてもいけないし、何よりベストセラーということなので最後まで読んでみました。

結論から言うと『リンクス』ほど雑だとは感じませんでしたが、やはり読み応えのある作品とは言えませんでした。

影野竜司はかつては警視庁組織犯罪対策部に所属していたのだが、とある事件で妻子をも殺されてしまう。その後、自ら死ぬこともかなわずに、社会の裏側でトラブルシューターとして生きているのだった。あるとき、妹がクランクという不良グループに拉致され、売春を強要されているので助けて欲しいという依頼を受ける。早速駆け付けた影野は少女を助けだすのだが、その後でクランクという不良グループともどもその背後の暴力団まで何者かに殺されてしまうのだった。

とにかくこの作者の小説は構成が雑としか言えないのです。物語の背景があまり書き込まれておらず、単に主人公がそう思った、とか敵役が殺した、とか、単純な文言だけで片付けています。

確かに、この直前に読んだこの作者の『リンクス』に比べるとまだましとは言えます。スーパーヒーローが悪漢たちをその圧倒的な身体能力で懲らしめていく。そのこと自体は読み手にカタルシスをもたらします。それなりにベストセラーになるのも判らないではありません。

でも、警察も登場するのですがその存在は忘れられているようです。機関銃で十数人を簡単に殺しても犯人たちは夜の街で飲んだくれているだけです。勿論一般素人は彼らに手を出せません。だから、主人公が手を貸すというのです。警察は役に立たない。その一言で終わります。

とはいえ、多くの人が支持するからこそベストセラーになっているのでしょうから、私のような否定的な意見は、そういう意見もあるというにすぎない少数意見なのでしょう。

最新作が最新作だったのでこのシリーズも進化することは無いのでしょうが、もう一冊くらいこのシリーズを読んでみようという気になったのですから、その程度ではあったようです。

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矢月 秀作2作目

「一冊だけで決めつけてもいけないし」

ともかく、この作品もリンクスもSiroさんの書評で読んだつもりにしました。

11/9はベルリンの壁崩壊の日だそうですね。
本日11/9のGoogle検索の表紙、そのプルダウン▼を押したら
ベルリンの崩壊された壁が世界の多くの国にオブジェクトとして設置されていることを知りました。

Re: 矢月 秀作2作目

> ともかく、この作品もリンクスもSiroさんの書評で読んだつもりにしました。

個人の好みなので何とも言えませんが、個人的にはお勧めはしません。

> 11/9はベルリンの壁崩壊の日だそうですね。

そういえば昨日のニュースで言っていたような。
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