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中島 要 晦日の月


この本の前に読んだ『刀圭』は「初の長編にして、単行本デビュー作」なのであまり深みを感じることが出来なかったのだろうと思い、本書を借りました。しかしながら、残念なことに一年半年ほどの期間ではあまり変わらなかったようです。

六尺豊かな文治が、行方不明の親分辰三の留守を守って御用を預かるが、どうしても頼りない。そこで、男勝りの辰三の娘お加世がしゃしゃり出る。

主人公の文治の親分が失踪しており、子分の文治が帰りを待ちつつ十手を守るという設定はいいのです。親分の娘のお転婆ぶりもありがちですが、その設定自体が具合が悪いということも無さそうです。

でも、お転婆娘の推理を始めとして、話の展開が簡単に過ぎると感じさせられます。また、事件に絡み惹き起こされる人間模様の書き込みもやはり深みを感じられません。

他の作者の物語で、筋立てそのものは単純でも本書程には薄さを感じない作品が存在するのは何故でしょう。やはり、本作品では人物造形や舞台背景への書込みが不足していると感じてしまいます。物語全体が会話で成り立っていて、その会話自体も少々練り方が足らないのでしょうか。感情移入できないのです。

やはり、読み手個人の嗜好があることを考慮しても、残念ですがこの先もう読まないと思われる作家さんでした。

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お疲れ様でした。

 チャレンジお疲れ様でした。

読書には老眼鏡が必要です、メガネの形をした天眼鏡も読むのに助けになるようなので、欲しいと思っています。

 新聞の一面下段に広告が載っています、その広告の多くが出版社のものです、多くの出版社は新宿区に集まっているようです。
日々いろいろな本が出版されていることに驚かされます。

 時に洗脳する下心がある本もたくさんあると思っています。「舟を編む」も辞書の世界を見せてくれているようで楽しく読みました。

Re: お疲れ様でした。

>  チャレンジお疲れ様でした。

いえ。
自分の感覚と合わない作家さんだった、というだけのことですね。
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(こちらです⇒読んだ屋
本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

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