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宇江佐 真理 名もなき日々を 髪結い伊三次捕物余話


髪結い伊三次捕物余話シリーズも、本作で十二作目にもなりました。物語の主人公も、当たり前のことながら、シリーズ当初は伊三次とお文が中心だった頃と異なり、この二人の息子の伊与太やお吉、伊三次が仕える同心の不破友之進の子である龍之進や茜などに少しづつ比重が移り、本作でもこうした子供達がメインになって話が進んでいます。

新しい師匠のもとに通うことになった伊与太や、その妹お吉も自分の生き方をしっかりと見つめる時期に来ています。その子供達を親として見つめる伊三次とお文なのです。

一方、不破家でも、息子龍之進が本書冒頭では仕事上で失策を犯したり、何よりも龍之進の妻きいのお腹が大きくなっていたりと、と何かと問題が起きているのです。そういう点では、松前藩の別式女として奉公している茜が一番大変なのでしょうか。

誰が中心というわけではありません。登場人物夫々が主人公となって展開される物語は、夫婦の、家族の物語として、より大きな流れとして展開していくようです。

派手さは無いものの、折々の場面での背景に映る自然の描写など、季節の移ろいを細やかに感じさせてくれる宇江佐真理の作品は、ゆっくりと心に染み入ってくるようで、やはり落ち着きます。

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