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ジョン・ヴァーリイ へびつかい座ホットライン


写真はありません。

ふと思い立ち、しまいこんでいたSF関係の文庫本を引っ張り出しました。一番最初に目についたのが本書です。殆ど三十年ぶりくらいに読み返してみました。奥付を見ると昭和六十一年一月三十一日発行とあります。本書に記入しているメモによると、1986年2月12日に熊本紀伊国屋書店で購入していますから、出版されてすぐに購入したみたいですね。当時は購入した本の裏表紙に購入日付を書いたいたのですから感心していいものやら、不思議な気持ちです。

読んでみると、全く新鮮な感じでした。覚えていたのは「へびつかい座」から送られてきた種々の情報を利用して、各段の進化を遂げた人類の物語であり、人体の変形に対して何の忌避感も持たない世界であるということだけでしたが、その情報は物語の展開にはほとんど役に立たないと言ってもいいものでした。

遺伝子の改変を試みたために「人類の敵」として断罪されているリロは、死刑執行の間際にトイード元大統領の手によって救出されます。リロが死刑判決を受けた原因でもある「ライフカプセル」が欲しいというのです。引き換えに、リロはトイードの求めに応じて土星へと赴くことになったのですが、待ち構えていたのは勿論冒険なのですが、その先にあったのは「死」だったのです。

今回、本書を再読するにあたり何となく違和感を感じたのは、本書がSFの一つの思想でもあるサイバーパンクに連なる匂いを持っていたからだと思います。それまでのSFの否定としてのサイバーパンク運動は、どうしても反社会性を帯び、何よりも個人の内面への回帰を強く主張したものでした。それは、宇宙狭しと飛び回り、新鮮な驚きをもたらしてくれるはずだった私の好きなSFではなかったのです。最初に読んだウィリアム・ギブスンの「ニューロマンサー」があまり面白いと思えず、拒否感を持ってしまったのが大きいのかもしれません。人間の肉体への改変、は当たり前であり、脳はネットワークに直接につながる世界、大きく言えばそうした世界なのです。ただ、映画『ブレードランナー』は好きな映画の一つではあります。

本書はそうした人間の肉体への改変を当然としている世界であり、主人公の死も普通の出来事の一つとして起きる世界です。生や死の捉え方が全く異なる世界なのでやはり取り付きにくいのも当たり前だと思います。

物語の進行につれてそうした世界観も判ってきましたし、読み終えてみると、かつてのようにどっぷりとこの小説にはまっていました。

この物語はヴァーリイの作り上げた未来史である「八世界」を舞台にしています。つまり、地球は2050年にエイリアンにより侵略され、水星、金星、月、火星、タイタン、オベロン、トリトン、冥王星という八つの衛星、惑星に居住するのみです。「八世界」とはこの人類世界の呼称なのです。ちなみに、このうちタイタン、オベロン、トリトンとは、それぞれに土星、天王星、海王星の衛星を言います。

終盤、リロは「へびつかい座ホットライン」と呼ばれている未知の知性に会うべく太陽系を離れることになるのですが、ここに来るまでに何度か死んでいます。そのたびにクローン処理により別なリロとして再生して新たな記憶のもとに行動し、やっとへびつかい座に向けて旅立ちます。その先に待ち構えていたものは、という流れになるのですが、最後はやはり時空を超えた展開が待ち構えています。

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非公開コメント

SFは意味が分かりません😅
死んだら無であることを切に願うのですが・・・
SFのどこに魅了されるのですか?

Re: タイトルなし

> SFのどこに魅了されるのですか?

かつては「センス・オブ・ワンダー」という言葉でその魅力が語られていました。
10人いれば10人が違う定義を示す多義的な言葉ではあるのだけれど、一言で言えば「新鮮な驚き、感動」と言って間違いではないと思います。

ちなみに、SF関連の作品をとてもうまくまとめてある、私が好きなサイトがあります。
ここで、ちょっとした説明がありました。

Manuke Station : SF Review
http://manuke.seesaa.net/article/4703540.html

です。

なるほど!
その感覚は、まずは読んでみないと感じられないということですね〜
できれば数多くですね。
私は読まず嫌いでしょうか?😅

Re: タイトルなし

> 私は読まず嫌いでしょうか?😅
いや。
多分読んでもそんなには好きにはなれないと思うよ。
超現実的な人には向かないかも。
SF好きな人はロマンチックな人のようだし。

でも、アシモフの『われはロボット』などは好きになれるかもしれません。
ロボット三原則をもとに論理で詰めて行く話で、古典中の古典です。

毛色の変わったところではブラッドベリの『火星年代記』は、少々ファンタジックでもあり、読み易いかと思います。これも古典です。

SF好きです

このご紹介作品は未読ですが、SF小説はいくつか読みました。
アシモフ『鋼鉄都市』、ハインライン『夏への扉』、ベスター『虎よ、虎よ!』、ブラウン『火星人ゴーホーム』、ル・グィン『闇の左手』、ヴォネガットJr『猫のゆりかご』、ディック『ユービック』、キイス『アルジャーノンに花束を』、ティプトリーJr『たったひとつの冴えたやりかた』、ブラッドベリの諸作品などが印象に残っています。
「ブレードランナー」は優れた映画と思いますが、個人的には原作『アンドロイドは電気羊の夢をみるか?』に深く感動しました。
ご紹介の作品も、機会があれば読んでみたいです。

Re: SF好きです

> このご紹介作品は未読ですが、SF小説はいくつか読みました。

東屋梢風さんもSFを読まれるのですね。新選組についての東屋梢風さんのブログを読んでいると、とてもSFを読まれる印象は無かったので、少々驚いています。

他の個所で書きましたように、わたしはヴォネガットJrやディックなどの諸作品はどうもなじめませんでした。やはり、アシモフ、ハインライン、クラーク、ブラッドベリらの正統派(と言っていのか分かりませんが)の作品が好きですね。
もちろん、E・E・スミスやバローズなどのスペースオペラも好きでした。

映画の「ブレードランナー」は私も名作だと思います。映画ではやはり「2001年宇宙の旅」は外せません。

近年読んだSFではアンディ・ウィアーの「火星の人」がお勧めです。

東屋梢風さんのブログもいつもお世話になっています。
今後もよろしくお願いします。
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(こちらです⇒読んだ屋
本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

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