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ラリイ・ニーヴン プタヴの世界


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直前に読んだ『へびつかい座ホットライン』はジョン・ヴァーリイの作りだした未来史である「八世界シリーズ」に属する作品でした。それに対し、本書はニーヴンによる未来史の「ノウンスペースシリーズ」に属する作品です。

「ノウンスペース」とは文字通り「既知の空域」という意味で、人類が進出した、若しくは探査が済んだ宇宙を意味します。このシリーズは殆どが短編として発表されているのですが、本書はこシリーズの最初の長編作品です。このほかの長編としては『地球からの贈り物』、『プロテクター』、そして最高の作品の一つと言われる『リングワールド』などがあります。

この「ノウンスペース」の特徴の一つとして、様々な宇宙人が登場することが挙げられます。本書でも、小柄ながらも一つ目で緑色の鱗の肌をしていて非常に醜悪な「スリント人」という宇宙人が登場します。

スリント人のクザノールは、自分の宇宙船の事故のため、宇宙服の停滞フィールドで時間を停止させた状態で救助を待つことにします。ところが、彼が目覚めたのは十五億年も経過した後の地球でした。そこではラリイ・グリーンバーグが宇宙人との接触を試みようとしていました。コンタクトの瞬間ラリイはクザノールの意識を取り込んでしまい、自身をスリント人だと思いこんでしまいます。しかし、脳は地球人であり他人を従わせる強い能力はありませんでした。そこで、自分の宇宙船を探しに出かけるのです。タイトルの「プタヴ」というのは、能力を失ったスリント人を意味します。

このシリーズはSFにはつきものの小道具が多彩なことでも知られています。本書にも出てくる「停滞フィールド」や、恒星間宇宙船として「バサード・ラムジェット」、パペッティア人の手による「絶対に壊れない宇宙船船の体」など多数あります。

ニーヴンはカリフォルニア大学で二年間数学を学んだり、他の大学で哲学、心理学を学んだりして突如SF作家になったそうです。ハードSF作家としての素地はその頃に培われたのでしょうか。

久しぶりの再読の印象は、少々読みにくく感じました。一つには昔の文庫本なので活字がとても小さく、今の大きな活字に慣れた年寄りにとっては結構負担がありました。

より本質的なこととしては、文章自体が読みにくく、一読しただけでは意味が伝わりにくい箇所がありました。本書の翻訳者は小隅黎氏です。この人の翻訳は他に『レンズマンシリーズ』やホーガンの著作などがあります。ホーガンの作品は先日再読したばかりですが、決して読みにくいことはなかったので(昔と訳者が変わっていることは無いと思います)、やはり、ニーヴンの文章そのものに癖があるのではないでしょうか。

解説を読んでいて思ったのですが、本シリーズはどこかスペースオペラタッチなのです。であるにも拘らずE・E・スミスらのような爽快感が今一つです。ハードSFとしての色合いが濃い小説なので、久しぶりに読んで戸惑ったのかもしれません。

しかし、物語のそのものは壮大なイマジネーションが駆使されていて、面白い作品であることは間違いありません。

本書も発行日時は昭和五十八年二月二十八日発行であり、私の購入日は1983年2月19日です。昭和五十八年は1983年ですから、殆ど発行されてすぐに購入しています。当時は本当によくSFを読んだものだとあらためて思います。

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