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佐伯 泰英 神隠し 新・酔いどれ小籐次


本書のあとがきには、まずは読者へのお詫びが書いてあります。その全文は文春:本の話WEB上にも同じ文章が書かれています。

そこには長期中断の理由を「作者の都合」という言葉だけで片付けてありますが、出来れば中断の本当の大人の事情を教えて欲しかった。とは言っても無理な話だろうし、実を言えば、それほど知りたい訳でもありません。要は、読者に面白い物語を届けて欲しい、その一点です。

新シリーズになったのだけれど、別に内容が大きく変わったわけではありません。ただ、物語に数年の経過があり、ほんのちょっと、シリーズの色合いが異なっているようです。

あとがきに「新作『神隠し』は、江戸の知られざる異界をテーマにした。」とあるように、本書では長屋の元差配の新兵衛が忽然と消える、という不可思議なことが起こります。でも、この不可思議な現象を描くことにどんな意味があるのでしょう。少なくとも私にはあまり意味は分かりませんでした。この現象がなくても物語は普通に成立するでしょうし、本書にはそれなりの面白さがあると思います。

また、本書の一大イベントとして駿太郎らがさらわれるのですが、そこの成り行きが良く分からない。何故にあのような手の込んだことをする必要があるのか、たまたまの機会を利用した、とも言えない状況ので、拐しのための舞台設定の必然性がないとしか思えません。この作者のストーリーではあまりこのようなことが無かっただけに、気になります。

この二点が少々気にはなるのですが、従来の小籐次の痛快活劇物語は、今のところその面白さは保たれたままだと感じます。

ともあれ、シリーズは新しくなり、多分、新しい敵も登場した、と思います。できれば、磐根シリーズのようにシリーズの内容が変質してしまわないように願うばかりです。

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