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秋山 香乃 新選組藤堂平助


新選組関連の小説等をまとめたサイト「新選組の本を読む ~誠の栞~」に、藤堂平助を描いた本と紹介してあったので読んでみました。

新選組の話なのでストーリーそのものは特別な違いがあるわけではありません。しかし、当たり前ですが人間関係が異なります。

本書で藤堂平助という男をあらためて見直すと、この男について何も知らなかったことに気づきます。知っているのは、新選組の四天王と呼ばれるほどの剣の使い手であること、伊東甲子太郎についていき油小路で殺されたこと、くらいでしょうか。魁(さきがけ)先生と呼ばれていたこと、事実津藩主・藤堂和泉守の落胤という話もあったこと、浪士組結成時に最年少の20才だったこと、等々色々関連本を読んだ筈なのに知りませんでした。

本書の一番の特色は、このサイトの管理人である東屋梢風さんも書かれていますが、藤堂平助と土方歳三との関係が、まさに「一種のBL小説とも解釈できそうな」表現になっていることでしょう。直接的な表現があるわけではないのですが、藤堂平助の心の動きが女性的なのです。平助は土方に助けられたと言えるその出会いから、土方に親しみを覚え、ついには京にまでついて行きます。一方で、土方の冷たさに何か裏切られたような思いを抱く平助もいます。

例えば、本書の始めの方で、新しい新選組の隊規を恐れて逃亡をはかった隊士を斬首した土方に対し、「非情な土方に藤堂の胸がざわめく。」「背筋が寒くなる思いだが、今なおあの男に魅せられる。」と言わせています。この一文だけでは分かりにくいですが、このような藤堂の心の揺らぎが、随所で繰り返されます。反発を覚えながらも離れられない心の揺れは、男のそれではなく、男に惚れた女の心の動きと考えれば納得できるのです。

本書も後半になると、確かにそうした気配は薄くなり、時代背景も緻密に抑えられていて歴史小説の醍醐味を味わうことができます。しかし、やはり藤堂平助の心の迷いは続いていて、そしてやはりその迷いは女性的なのです。

本書を普通に歴史小説として見るとき、流れが自然であり物語としての違和感はあまり感じません。山南敬助の脱退事件もこの作者なりの歴史的な事実をふまえた解釈が為されています。更には、藤堂平助の一大転機となる、伊東甲子太郎の高台寺党への参画の理由も自然に描かれています。前記サイトの管理人東屋梢風氏の「義理人情の世界」という言葉には、つい「うまい」と思ってしまいました。

ただ、違和感を感じないとは言っても、それは全体的な流れのことであり、個別の描写などではやはりついていけない個所も多々あります。具体的には、まずは上記のBL的な展開です。やはりこの匂いは好みではありません。他に細かいところ挙げてみれば、「刀を鞘から抜き放ち、直に抱いて寝る」ことなど出来るのかと思ってしまうのです。

この作家の他の作品も本書ような感じであれば、それは私の好みではありません。でも、このBL的な気配さえなければ、十二分に面白い作品だと思います。

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ご愁傷様です

当方ブログ「新選組の本を読む ~誠の栞~」をご覧いただき、ありがとうございます。
評判を聞くかぎり、秋山作品の中で本作はBL成分が最多と思われ、やはり苦手な方にはお薦めできません。プロデビュー以前の作なので、作者の個人的な感情が入りすぎてしまったのでは、という気がします。
BL成分なしの作品も書いていますので、いつか別のものをお読みになってみてもよろしいのではないでしょうか。

Re: ご愁傷様です

有難うございます。

近く、貴サイトにてお勧めいただいた作品を読んでみようと思います。
また、秋山香乃氏の作品も一冊だけではなく、他の作品も読んでみるつもりです。
その時はまた報告させて頂きます。
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