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福田 和代 迎撃せよ


これまで読んだ2作品よりは面白く読めた、というところでしょうか。でも、やはり場面設定の荒さは否めませんでした。

航空自衛隊岐阜基地からミサイル4発を搭載した戦闘機が盗まれ、一発が富士の樹海に打ち込まれた。日本の都市にミサイルを撃ち込むというテロリスト。そのテロリストからの犯行声明に予告された攻撃だった。ミサイル防衛統合任務部隊に所属する安将文一等空尉は、自分の恩師で、かつての上官でもある、加賀山一郎元一等空佐の犯行への加担を疑い、加賀山を探し始めるのだった。

まずは、自衛隊の航空基地から現役の戦闘機、それもミサイルを装備した戦闘機を盗み出す行為が、あまりにも簡単に過ぎます。この小説のねらい所からすれば、戦闘機の奪取行為そのものは枝葉なことかもしれませんが、この行為がテロリストの作戦の大前提になっているのですから、もう少し丁寧に、読み手を納得させるだけの理由づけをしてほしく思いました。

更に言えば、加賀山らの犯行動機も今一つ説得力に欠けます。加賀山自身も愛している日本という国にミサイルを撃ち込もうとするのですから、読者を十分に納得くさせるだけの理由を明示してくれないと、この物語に感情移入できないのです。

残念ながら、以上のような疑問点は他にも少なからず見受けられます。ましてや、この手の、北の国のテロリストという設定や、自衛隊員の愛国心から起こすクーデターもどきの話は一つのパターンとして有るのですし、読み手も、それなりのものを期待して読みますから、ハードルはかなり高くなると思います。

結局、本書では中心となるのはどの人物なのかも明確でないまま、作者の最も言いたいことがあいまいになって終わったような気がします。

残念ながら、『特殊警備隊ブラックホーク』『ハイ・アラート』そして本書と、これまで読んだ三冊が皆、似たような印象であるということは、私の好みとは一致しない作家さんだと思ってもよさそうでしょう。

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