FC2ブログ

佐伯 泰英 願かけ 新・酔いどれ小籐次(二)


小籐次を神とあがめ、ひたすら拝むとご利益があるとの噂が立った。小籐次の仕事場所には参拝客が列をなすようになり、そのさい銭の額も相当な額に上るようになった。一方、おりょうの歌会では門弟の間でいさかいが起き、門弟数が減る事態になっていた。

この作家の一番のヒットシリーズである『居眠り磐音シリーズ』が途中でその色合いを変えた、もしくは変えざるを得なかったことで若干失速気味であったことを思うと、本シリーズは定番の痛快時代劇小説としては王道を走っていると思っていました。

ところが、本シリーズもまた、ある日突然に出版社が変わり、新しいシリーズの第一作目は、登場人物は変わらないものの、内容がほんの少しですが、これまでとは変わったかに思われました。著者自らが「江戸の知られざる異界をテーマ」にすると言われたように、内容が神隠しを主題に置いていて、今後の展開に不安を抱かせるものだったのです。

しかし、本書ではそうした心配は杞憂に終わったかと思われます。「江戸の知られざる異界」については何も触れられず、ただ、小籐次が祈願の対象になる、というだけで、これまでのシリーズの流れに戻ったかに思われます。

小籐次とおりょうとの道行、というほどでもないのですが、この二人の行く末と、一子駿太郎と小籐次との関係など、今後の行く末はまだまだ眼を離せないシリーズだと思われます。

少なくとも、佐伯泰英という作家のシリーズでは私の一番好きなシリーズであり、新シリーズになってそれほど内容の変更もないことを単純に喜びながら、今後の展開を待ちたいと思います。

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

siro

Author:siro
このブログの本棟として本の紹介のサイトを開いています。
(こちらです⇒読んだ屋
本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR