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東野 圭吾 夢幻花


いつもの東野圭吾の物語を期待していたら、少しだけ自分の思惑とは異なる物語でした。

秋山梨乃の祖父の秋山周治は独り暮らしをしていたが、ある日何者かに殺されてしまう。梨乃は庭から消えた黄色い花のことが気にかかり、預かっていた黄色い花の写真をブログにアップするが、ブログを見て近づいてきたのは、警察庁に勤務する蒲生要介だった。要介の弟の蒼太は梨乃と知り合い、ともに事件の真相解明に向けて動き出すが、西荻窪署の刑事である早瀬も、個人的な事情から事件を追うのだった。

主人公は蒲生蒼太であり、パートナーとして秋山梨乃ということになるのでしょう。この二人が探偵役として秋山周治の殺害事件の真相を探り当てようとするのです。それに、蒼太の兄蒲生要介や、秋山老人とは昔息子の件で縁のあった早瀬亮介刑事が絡んで真相解明の手伝いをします。

東野圭吾の物語の面白さは、社会性のあるストーリーにあり、またそのストーリーに仕組まれた仕掛けの面白さにあると思っています。そしてその仕掛けや伏線の回収の仕方もまたうまいのです。つまりは東野作品の面白さは作品全体を通した、二重、三重の仕掛けの巧みさにあると思っているのです。

ところが、本作品ではその仕掛けが今一つピンときません。「変化朝顔」という道具が、本作品の大きな仕掛けの核になっているのですが、それがうまく機能していない気がします。

物語としては面白いのです。数十年前に起きた殺人事件。そして蒼太の初恋、梨乃の従兄の尚人の自殺などの事件が起き、梨乃の祖父である秋山周治の殺害へと続きます。これらの無関係の事柄が最終的には一つのことへと収斂していく手際はいつものことながらにうまいものだと思います。でも、例えば『新参者』や、先日読んだ『ナミヤ雑貨店の奇蹟』には及ばない作品だと思うのです。

本作品は、東野圭吾の物語のレベルとすれば、その作品群での位置は上位には来ないということなのです。勿論これは個人的感想であることは言うまでもなく、実際本書を最高傑作に近い、と評価する人もいるようです。

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