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金子 成人 付添い屋・六平太 虎の巻 あやかし娘


付添い屋・六平太シリーズの二巻目です。例によって、全部で四つの短編からなっています。

「あやかし娘」 味噌問屋浅野屋の娘のお絹の付き添いをしていた六平太は、奔放なお絹の行動に振り回されていた。そのうちに、浅野屋が三五郎という男から脅しをかけられているという。

「武家勤め」 関森藩の藩主の妾腹の子亀太郎を助けたことから、亀太郎の剣術指南をすることになった。しかし、そのことを快く思わないものもいて・・・・。

「むかしの音」 六平太は盲目のお琴の師匠秋絵の付き添いをすることになった。その秋絵は、出稽古のの途中、わき道にそれ、ある音を聞いているかのように佇むのだった。

「霜の朝」 前巻の最終話で、六平太の妹の佐和は、呉服商の美濃屋の手代由蔵のもとに嫁ぐことになったのだが、その後の佐和の姿が描かれる。

定番の構成として、それぞれの話では付き添い屋としての六平太の活躍による人情譚が語られ、その巻やシリーズ全体を通してまた別の話が展開します。本書の場合この巻を通しての話は、六平太が十河藩の伴番であったころの許婚者、小萩の嫁ぎ先である山中伊織との確執です。山中は六平太と小萩の仲を疑い、常に六平太の動向を探っているのです。

とある事情で浪人をすることになったものの、やはりもといた藩との繋がりは切れず、なにかとトラブルのタネとなる、という設定は、これまたこの手の浪人ものの定番でもあります。しかし、本書の場合、もとの藩との話は決して物語の流れを切ることも無く、シリーズを通しての出来事として魅力の一つになっています。

こうしてみると、本シリーズの設定は定番をおさえた構成と言えそうです。そして、人物描写のうまさや、物語の展開の調子など、脚本家として培われた能力が全開していると思われます。ただ、そのことは、逆に言うと特色がないことにもつながります。物語がこのままの展開で進んでいくと若干飽きられるかもしれません。

本書は前巻と同じ調子で心地よい語りのまま読み進めることができる物語です。と言っても、本巻は第一巻である前巻と同時出版だったそうなので、同じ時期に書かれた物語だったのでしょう。

また、イラストに違和感を感じるのは同じです。ただ、このイラストが『JIN-仁』『龍-RON』の村上もとか氏が担当していることには気づきませんでした。言われてみれば村上もとか氏の絵ですね。好きな漫画家さんではあるのですが。やはり、本作のイラストとしては違和感を感じる点に変わりはないようです。

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