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池井戸 潤 オレたち花のバブル組


半沢直樹シリーズの第二弾小説です。勧善懲悪の痛快経済小説と言うべきでしょうか。そんな言葉があるのかは知りませんが他に言いようがないのです。

前巻では大阪支店勤務であった半沢直樹は、本書では東京中央銀行の営業第二部次長に栄転していたが、老舗ホテル「伊勢島ホテル」の再建を押し付けられる。しかし、東京中央銀行のこのホテルに対する二百億円の融資後、莫大な損失が出ていることを把握できていないという失態が隠されていたのだ。そうした折に金融庁の検査が入ることになり、半沢は主任検査官である黒崎駿一と対決することになるのだった。

池井戸潤原作のテレビドラマといえば、「半沢直樹」が一大ブームとなったのが2013年のことで、昨年(2015年)が『ルーズヴェルト・ゲーム』『花咲舞が黙ってない』、そして今年(2015年)が『下町ロケット』と続いています。『下町ロケット』の出演陣に惹かれてドラマを見たらこれが予想外に面白く、ついには、今さらですが池井戸潤作品に手を出すことになりました。

いざ読んでみるとこの本がまた面白い。ドラマ『半沢直樹』で話題になった主人公半沢直樹の「倍返しだ!」という文句もちゃんと原作にある言葉であり、これまた大きな話題になった香川照之が演じた大和田常務や、片岡愛之助演じる金融庁検査局の黒崎駿一も、ドラマを見ていない私には新鮮でした。この作品をもとに作られたドラマであるのなら、見ている者に爽快なカタルシスをもたらし、高視聴率を獲得したということも納得だと、ある種の感動を覚えながら読み進めたものです。

池井戸潤といえば、かつて政治小説である『民王』を読んだことはあるのですが、私の好みには合わず、そのほかの作品を読む気にならなかったのです。しかし、今回本書『オレたち花のバブル組』という作品を、どのテレビドラマの原作だったかも不明なまま読んだところ、その面白さについつい一気に読み終えてしまいました。

経済小説と言えば経済用語も知らない身としてはなんとなく敷居が高く、なかなか手を出しにくかったのですが、いざ読んでみると実に読みやすい。何より、物語自体が経済小説に対し持っていたイメージとは全く異なり、勧善懲悪の痛快小説仕立てになっているではないですか。気づいて見ると、今現在進行形で見ている『下町ロケット』も、事前の印象とは異なり勧善懲悪のドラマでした。

勿論、経済小説としての基本はきちんと押さえてあります。少なくとも、経済には全くの素人の私には、銀行マンであったという池井戸潤という作家本人の経歴からしても十分な知識を持っている、と思われ、銀行にもこんなにもドラマを産む業務があるものだと感じ入るばかりです。

ということは『ルーズヴェルト・ゲーム』や『花咲舞が黙ってない』、『下町ロケット』の原作シリーズも、同様に勧善懲悪の物語として仕上がっているのでしょうか。しばらくはこの作家の作品を読み続けることになりそうです。

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