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辻堂 魁 読売屋天一郎


瓦版屋である主人公が仲間とともに走り回る痛快活劇小説です。

旗本の部屋住みだった水月天一郎は、ある事情から家を出て、部屋住み仲間の絵師の錦修斎、彫師であり摺師でもある鍬形三流、そして売り子の蕪城和助らとともに築地で瓦版屋の「末成り屋」を営んでいた。天一郎は勘定吟味役の高石友則が、油問屋の株仲間のことで賄賂を受け取っているという噂を聞きこみ、調べ始めると、何者かに襲われる。一方、公儀小納戸衆旗本の筒井太七郎という者が島帰りだとの話を聞きこむ水月天一郎だった。

久しぶりに読んだ辻堂魁の新しいシリーズです。『風の市兵衛』シリーズがそこそこに面白かったので、次に読んだのが『夜叉萬同心 冬蜉蝣』だったのですが、これが取り立てて面白いと言うほどではないけど、痛快活劇小説としては中の上くらいかなと。そこで、新しいシリーズの本書を読んでみました。

結論から言うと、やはり中の上、というところでしょうか。

本作品は『夜叉萬同心 冬蜉蝣』とは異なり、出版年が2011年なので『風の市兵衛』シリーズよりも後に出されています。それにしては、物語に新鮮味があまり感じられませんでした。

元は旗本の部屋住みである瓦版屋を主人公に、役職に就こうとする旗本の不正を暴くという、現代で言えば新聞記者ものです。そこに八丈島に流されていた流人の物語が絡み、人情話の色合いも添えられた活劇小説、ということになるのですが、主人公を含めた登場人物に感情移入できません。

主人公が瓦版屋という設定は面白く、その仕事ぶりの紹介も詳細に為されていて、それなりに面白い物語ではありました。しかしながら、人情物語としても活劇小説としても水準以上の面白い小説だった、とまではいかないようです。

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