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佐伯 泰英 居眠り磐音江戸双紙(50) 竹屋ノ渡


いよいよ、本シリーズも最終話(第五十巻)となり、本書は最終話の上巻です。

梅香が漂い、霊峰富士を望む小梅村が柔らかな陽射しに包まれる頃、尚武館坂崎道場では、晴れて入門を許された空也をはじめ、多くの門弟衆が稽古三昧の日々を送っていた。そんな折り、道場主坂崎磐音宛てに、遠州相良より一通の書状が届く。時を同じくして、幕閣に返り咲いた速水左近が下城の途次に磐音のもとを訪れ…。超人気書き下ろし長編時代小説第五十弾。(「BOOK」データベースより)

これまでも最終話に向かい物語を整理するような流れで話は進んでいました。本書のその集大成とも言うべき一冊です。つまりは、物語としての大きな出来事は無く、話を終わらせるためのながれでしかないとも言えます。

まあ確かに磐根とかねてから因縁のある武士との立ち合いや、尚武館の移転騒ぎなど、本来であれば大きな事件と言うべき出来事はあります。それも最終話だからこその出来事です。しかしながら、何となく本書自体が物語の整理のためとしか思えないところから、私にしてみれば物語のつじつま合わせとしか思えません。

更には、磐根の跡継ぎである空也の成長ぶりなど、本来であれば物語の面白さが増してくるはずのところではあるのでしょう。

でも、本シリーズとしてみて、ここ数冊程は決して不可欠なものとは思えませんでした。本シリーズ当初の磐根をめぐる痛快な物語は影をひそめ、痛快時代小説としての面白さがありません。だからと言って剣豪小説でも無いという、半端な印象しか受けていませんでした。

勿論、作者の上手さで小説としてのそれなりの面白さはあったのですが、本来の面白さを感じない流れになっていたのです。本書は、その惰性に近い物語の流れを整えるという意味以上のものは感じられませんでした。

残り一冊に期待したいと思います。

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