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佐々木 譲 巡査の休日


いわゆる「道警シリーズ」の第四作です。

小島百合巡査が逮捕したストーカーである婦女暴行犯の鎌田光也が脱走した。捕まらないまま一年が過ぎるが、神奈川で起きた現金輸送車強盗事件に蒲田が関与しているらしい。そんな折、蒲田がストーカー行為を働いていた村瀬香里にまた脅迫メールが届いた。小島百合巡査はよさこいソーラン踊りに出演する村瀬香里を再びガードすることとなるのだった。

北海道警察で現実に起きた警察官の不祥事である「稲葉事件」を題材に描かれたのがシリーズ第一作の『うたう警官』で、『このミステリーがすごい!』の2005年版で10位に入っています。この作品は『笑う警官』と改題され、その後タイトルも「笑う警官」のままに大森南朋や宮迫博之をメインとして、角川春樹がメガホンをとって映画化もされています。

その後、『警察庁から来た男』、『警官の紋章』と、道警の不祥事をベースとした作品としてシリーズ化され、本書に至っています。

これまでの三作とは異なり、道警の不祥事をベースとした色合いはかなり薄くなっています。そういう意味では通常の警察小説と言っても良いかもしれませんが、シリーズを貫く腐敗組織との対立構造は、佐伯の行動などにまだまだ少しは残っています。

何より、これまでの三作で作り上げられた中心となる登場人物たちは、かなり強烈な印象を持って存在しており、このシリーズが独特の存在感を持っていることを示しています。

本書では小島百合巡査が物語の中心に据えられています。よさこいソーラン祭りに参加する被保護者である村瀬香里を守るために常に村瀬香里に密着し、何時現れるか分からないストーカーの蒲田の出現を待つのです。

このシリーズ自体、サスペンスミステリーとして一級の面白さを持った作品だと思うのですが、本書もまたサスペンスフルな物語として仕上がっています。若干、これまでの三作と比して対組織の色が薄まっている分だけ物足りない気もしますが、それでもなお面白い物語です。

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