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辻堂 魁 春雷抄 風の市兵衛


風の市兵衛シリーズ第九弾です。

北町同心の渋井鬼三次は、老舗の酒問屋「白子屋」が密造酒を仕入れ不当に廉売しているとの話があり、隠密に調べるよう命じられた。一方唐木市兵衛は、飲み仲間の蘭医である柳井宗秀から、砂村新田名主の伝左衛門の依頼との断りで、代官所手代である清吉という男の捜索を頼まれる。調べが進むにつれ、渋井が調べている事件と市兵衛が依頼を受けた事件とが繋がりを見せてくるのだった。

今回の市兵衛は、「渡り用人」としての経済についての知識が若干ですが役に立つ仕事についています。それは人探しの結果として見つかった酒の密造の問題です。

そこには江戸経済の一環として新田の開発があり、そこから上がる年貢米の横領、つまりは川欠引という免租の仕組みや、どれだけの量の酒を造るかという酒造鑑札の仕組みも絡んでくるのです。

行きつくところ、金に目のくらんだ役人や商人の横暴のために代官所の手代である清吉という正直者が失踪し、残された妻と娘が行方不明になった夫であり父親を探そうとする物語です。

父親探しの手伝いとして正義の味方としての市兵衛が乗り出し、悪を懲らしめ、事件を見事解決して見せるという、勧善懲悪を貫く王道の物語であることになります。

痛快時代小説の醍醐味が満喫できる一冊でした。

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