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辻堂 魁 乱雲の城 風の市兵衛


風の市兵衛シリーズ第十弾です。

伊勢七万石の譜代大名である門部伊賀守邦朝は、公儀奥祐筆組頭の越後織部の力を借りて老中職になるために各方面に働きかけてきたが、公儀十人目付筆頭の片岡信正の異議により、あと一歩というところでその望みは絶たれてしまう。それでも老中職を狙う門部伊賀守は越後織部と謀り、返弥陀之介を捕らえ、拷問により片岡信正の不正の証拠としようとするのだった。

今回の市兵衛は、いずこかに雇われてその雇い主のために働くというのではなく、市兵衛の兄やその妻佐波、親友の返弥陀之介の窮地を助けるために、今回の敵役である門部伊賀守と越後織部との密謀を暴くべく、北町同心の渋井鬼三次らの力を借りて奔走します。

こうなると「渡り用人」としてではなく、「風の剣」の使い手としての唐木市兵衛の話ですね。それでもなお唐木市兵衛の物語であって、敵役の裏の顔をどのようにして暴きたて、市兵衛の剣はどのように生かされるのか、が焦点になってきます。

本書での市兵衛の下の兄である重文や、姉である千恵との会話はシリーズで初めてではないかと思います。下の兄の存在はどこかで語られていたかとも思いますが、信正と佐波の祝言であるからこそ少しでありますが登場させたのでしょう。

また、新婚早々謀りごとに巻き来まれた佐波と佐波の父親である静観の行動も見ものです。これまでも少しずつ語られてきた片岡信正と佐波の馴れ初めも静観の口から語られたりと、このシリーズの奥行きがまた少し深くなったようにも思える物語でした。

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