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梶尾 真治 怨讐星域Ⅱ ニューエデン


怨讐星域シリーズの第二弾です。

滅びの地球から脱出した、2つの人類。その1つは宇宙船ノアズ・アーク内で、結婚して子を産み育てながら172光年先を目指していた。いま1つの人類も、星間転移で到達した約束の地・エデンにて世代を重ねながら、新たな文明社会を築いていた。最初の転移者から数えて第5世代のタツローは、入植を祝う降誕祭の準備に奔走する日々。彼はやがて、歳月を超えて受け継がれたノアズ・アークへの憤怒と憎悪に直面するが…。(「BOOK」データベースより)

地球を出発した恒星間宇宙船内では世代交代も進み、登場人物は少数の例外を覗いて、全く見知らぬ人たちばかりです。少なくとも一巻目で登場した人たち自身は既になく、その子孫と思われる人の名前が見えたりするくらいです。

ただ、転送装置の発明者であるイアン・アダムズが意外な形で登場することが気にかかることでしょうか。

宇宙船も長い旅の中間地点を過ぎようとしますが、そこで船長室及び制御室で異常が発生し、誰も近づけなくなるという事故が発生したり、宇宙船内部で生活する人間たちの筋力は衰え、「約束の地」での生存が不可能ではないかなどの危惧も発生します。また、船内で怪物が現れ人を襲ったりと、何かと問題が絶えません。

「約束の地」に近づくと、着陸や輸送などの問題は山積みになっているのです。

一方「約束の地」では、テンゲン山の山頂でイアン・アダムスの子孫たちが星間宇宙船の到着を観測し、ついにノアズ・アークからの通信を受信します。

そして、残された人々を地球に置き去りにし、自分たちだけ逃げ出したアジソン米大統領一派に対する憎しみは、ノアズ・アークに生きる人たちの宗教にも似た思いにまで変化していたのです。

星間宇宙船とノアズ・アークで暮らす人々との邂逅が近づいており、このあとの展開はもちろん気になります。

しかしながら、個人的には梶尾真治という作者の物語としては決して良い出来とは思えませんでした。物語の素晴らしいアイディアとその底に流れるロマンチシズムこそがこの作家の魅力だと思っていたのですが、本書では、設定そのもののアイディアは素晴らしいものの、全体を構成する個々の物語は梶尾真治の力の半分も出ていないような気がします。

勿論、宇宙船と目的地に暮らす人々との憎しみをはさんだ出会いこそがこの物語の一番の山場であり、書きたいことだったのでしょうから、最後まで読み終えて初めて全体としての感想を記すべきなのでしょう。

ということで、物語全体の感想は、あと一巻を読み終えてからにしたいと思います。

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