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花村 萬月 よろづ情ノ字薬種控

よろづ情ノ字 薬種控よろづ情ノ字 薬種控
(2012/07/19)
花村 萬月

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初めてこの作家の作品を読みました。図書館で目の前にあったので、名前だけは知っていたので試しに読んでみようと思ったのです。

一読して、春本かと思うほどに驚きました。それほどに濡れ場の描写が濃厚だったのです。そこで改めて表紙を見てみると「性に絡め取られた人々が織りなす江戸人情譚」とありました。こうした文言には全く気付かずに借りたのです。

とはいえ、エロ本というほどに猥雑でもないし、文章がさらりと流れていくので読み続けていたところ、次第に引き込まれていきました。

考えてみると、エロ度で言えば夢枕獏の「魔獣狩り」シリーズや菊池秀行の「魔界行」シリーズなどはエロい上にグロさまであるのですから、それに比べれば大したことはありません。しかし、本書の場合、文章に艶があり、その分だけ官能度は増しているのかもしれません。

性に関する秘薬や秘具などを扱う主人公が、何故か美しいけれども、少し頭が足らない夜鷹おしゅんに魅かれ、引き取る羽目になります。

そのおしゅんや愛犬の鞆絵との心の交流を中心に、連作短編風に物語は進んでいきます。 途中、子堕ろしで名の高い女医師や、張形作りの名人など癖のある人物が絡んできたり、話の展開には飽きが来ません。

最後の方では、この作家の独特の文章の魅力に惹かれ、次の本はどれにしようかとまで考えていたほどです。

他の作品も読んでみたいと思わせる作家でした。

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本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

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