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辻堂 魁 夜叉萬同心 冥途の別れ橋





本書は『夜叉萬同心シリーズ』の第二弾となる痛快時代小説です。


「序」では、文化4年(1807年)に起きた永代橋の崩落事故での様子が描かれ、そのまま永代橋の崩落事故で行方不明になっている万吉という火消し人足を探すよう命じられた七蔵が描かれます。この事件の裏には、横暴な臥煙らの行いがあったのです(第一話)。

その後、御家人・林勘助のひどい暴行を受けた後のある溺死体があがりますが、林勘助とその妻袈裟は永代橋の崩落事故で共に大川に落ち、勘助のみ助かり、袈裟は行方不明となっていたのでした(第二話)。

「赤蜥蜴」という押し込みの一団を捕らえるために必死になっている中、同心春原繁太の遣う留吉と耕鋤が斬殺されるという事件が起き、七蔵に探索の命が下るのでした(第三話)。



夜叉萬同心シリーズ第一弾を読んで、三年以上が経っています。第一弾を読んだときには「残念ながら期待に反するものでした。」と書いています。

その間、先に読んでいた『風の市兵衛シリーズ』も第一シーズン全十八巻を終え、第二シーズンに入っています。それほどに『風の市兵衛シリーズ』は面白く、私の好みにも合致したようです。

そこで、辻堂魁というこの作家の他の作品をもう一度読んでみようと、『日暮し同心シリーズ』を読んでみたのですが、これが思いのほかに面白い。

その上、驚いたことにこの作者の『日暮し同心シリーズ』の第一巻『はぐれ烏』の中には『夜叉萬同心シリーズ』の主人公、萬七蔵が登場していたのです。

そこで、一度はあまり面白くないと感じた『夜叉萬同心シリーズ』を再度読んでみようと思い立ち、第二巻の本書『夜叉萬同心 冥途の別れ橋』を読んでみた次第です。

ところが、これがまた面白い。前作『夜叉萬同心 冬蜉蝣』での印象はどうしたのかと、自分で納得がいきません。多分、新人であるための文章のこなれ具合や、物語の構成の仕方などが今ひとつだったということもあったのでしょうが、読み手である私の先入観がそう思いこませたのではないでしょうか。

風の市兵衛シリーズ』を読んで、その面白さに引き込まれ、改めて本書『夜叉萬同心 冥途の別れ橋』を読み、その先入感が外れたのではないかと思うのです。

第一巻では「殺しのライセンス」を持つ同心、という書き方をしているのですが、確かにそれほどに剣戟の場面が目立つ作品です。

もしかしたら、前作では切り捨てごめん、の指示が出ていたのではないかと思うのですが、良く覚えていません。そこで、もう一度前作を読んでみようと思います。
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