FC2ブログ

楡 周平 クーデター

クーデター (角川文庫)クーデター (角川文庫)
(2008/11/22)
楡 周平

商品詳細を見る

前作の「Cの福音」と異なり、物語としてかなり面白く、やはりこのシリーズを続けて読んでみて良かったと思いました。

オウム真理教を思わせる宗教団体が世直しに向けての武器の調達や戦士の育成をし、北朝鮮の仕業と見せかける仕掛けと共に首都東京にテロを仕掛けます。そこに、主人公川瀬雅彦がからみ、その脅威を未然に防ぐべく動くのです。

確かにこの作品でも主人公の川瀬雅彦の活躍場面はそれほどないし、筋立ても決して意外性に富んだものではありません。それどころか、途中のある場面から結末が見えないでもなく、更に主人公の活躍の場面も偶然のたまものといった趣が強くて、少々興が削がれないでもありません。

もっと言えば、少々各場面の描写がしつこく、描写が詳細に過ぎると感じられるのです。本書の半分近くが問題の宗教団体の依頼による武器の調達の場面や途中で絡んでくるアメリカの原潜の描写などで終わってしまいます。もう少し簡潔な状況描写と、簡潔な会話が書かれていればもっと読みやすく、テンポが良いのにと思ってしまいました。この点は読み手により異論があるところでしょうが。

しかし、それでも本筋の宗教団体のというよりは、北朝鮮の行動に見せかけての一連の行為が、一種のシミュレーション小説としても面白く、今後もこのシリーズを読み続けたいと思いました。

ただ、蛇足ですが、北朝鮮の侵略行動のシミュレーション小説としては村上龍の「半島を出よ」があり、比べてしまった、ということがあるのかもしれません。

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

siro

Author:siro
このブログの本棟として本の紹介のサイトを開いています。
(こちらです⇒読んだ屋
本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR