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浅田 次郎 長く高い壁





浅田次郎の描く軍隊ものの長編ミステリー小説です。


日中戦争初期に起きた一つの分隊十人全員の死亡という事件は共産匪によるものだったのか、それとも日本軍内部の殺人事件なのか、従軍作家として派遣されていた小柳逸馬は、前線へと同行することになった川津中尉とともに謎の解明に挑みます。

二人を待っていたのは事なかれ主義の山村大尉であり、実際に憲兵隊を仕切っている二等兵から叩き上げの小田島軍曹でした。

しかし、この二人が小田島軍曹の力を借りつつも、青木軍曹、加藤一等兵、山村大尉、海野伍長、それに張氏飯荘オーナーの張一徳といった人物を尋問し、現場検証し真実にたどり着くのです。

その結果、探偵小説作家小柳逸馬の為した報告は・・・・・・。



物語の舞台は中国北部の万里の長城であり、そこの守備隊10人の死亡の原因を調べるために一人能入り探偵小説家が派遣されるという物語です。

ミステリーという形式のもとで探偵役の作家とそのコンビのような川津中尉との掛け合いの中で、事なかれ主義の山村大尉のもと、小田島軍曹の案内のもと、探偵役の作家小柳逸馬の目を通して、軍隊という集団の持つ理不尽さが明らかにされていきます。

そこには、実社会を反映して元は銀行員や教師、学生といった様々な人たちが、個々の能力は捨象され、一律に没個性的な軍人として、上官の命令は絶対という確立された命令系統のもとに存在していたのです。



ほかの浅田次郎作品とは若干毛色を異にした小説ではありますが、いろいろな登場人物の独白により構成されていくスタイルは浅田次郎の得意とする構成であり、人物の心象を深く表現する浅田次郎独特の文体もまた健在です。

やはり職人的な文章のうえに成立する物語は、心にしみます。
浅田次郎の作品にも、殆どはずれはない、といえるでしょう。

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(こちらです⇒読んだ屋
本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

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