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志水 辰夫 飢えて狼

飢えて狼 (新潮文庫)飢えて狼 (新潮文庫)
(2004/05/28)
志水 辰夫

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家の者が借りてきたので再読してみる気になりました。

前に読んでからもう30年以上もたっているでしょうか。

今は三浦半島で小さなボート屋を営んでいる、かつての日本有数の登山家だった主人公は、ある日突然店を焼かれ従業員も殺されてしまう。その後、真相解明のために調べ始めるとCIAやKGBといった国家間の諜報戦の様相が見えて来て、その戦いに巻き込まれていくのだった。

やはり読み始めたら一気に読んでしまいました。文庫本で430頁余の本を4時間弱で読んだことになります。読む速度が速いのかそれと遅いのかは分かりませんが、やはり引き込まれてしまいました。

勿論本書の時代背景は古く、1976年9月に起きたベレンコ中尉亡命事件をモチーフに、北方領土問題を絡ませた物語なので、昔を知らない人たちにはピンと来ないかもしれません。しかし、そうした時代背景は知らなくても、今でも一級の冒険小説としての面白さをもっている本だと、今更ながらに実感しました。

途中で国後島での逃避行の描写がありますが、著者の手元にあった資料だけで書いたなどとは思えない迫力です。解説にも書いてありましたが、作家という人種は「見てきたような嘘」をつくのです。

また、志水辰夫氏本人の言として、北方領土問題をスローガンとして終わらせるのでは無く、「いまのうちに、かつての記録を、商業ベースに乗る本にして残しておきたいと思ったのだ。」そうです。そして、この資料が先にあって、「日本領土でありながら日本支配の及んでいない望郷の島、ここに日本人を潜入させ、高さ四、五百メートルもある絶壁を攀じ登らせたらどうだろう。」ということで本書の主人公の渋谷が生まれたのでそうです。でも、その発想でこれだけの本が書けるのですから、その才能がすごいとしか言いようがありません。

やはりこの作家は面白いと再認識させられました。

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