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池井戸潤 下町ロケット ゴースト




本書は、第145回直木賞を受賞した『下町ロケット』の続編『下町ロケット ガウディ計画』に続くシリーズ第三弾です。

シリーズの第一作『下町ロケット』、第二作『下町ロケット ガウディ計画』はTBS系の日曜劇場で阿部寛を主演に、安田顕や立川談春、恵俊彰、土屋太鳳、それに吉川晃司ほかのキャストでテレビドラマ化され、大変な人気を博したシリーズです。

実はそれ以前にも、三上博史主演でWOWOWの連続ドラマWでドラマ化されていたのですが、WOWOWを契約していない私はそのことを全く知らずにいました。

TBS版のテレビドラマは豪華なキャストということもあってか大変面白く見させてもらったものです。しかしながら、やはりこの物語の面白さは原作にあります。池井戸潤という作家の痛快小説の作り方が非常にうまく、どの作品も読んでいてすぐに物語の世界に惹き込まれてしまうのです。

そして、本作『下町ロケット ゴースト』も勿論面白い作品でした。



今回の佃製作所は、まず帝国重工の業績悪化に伴う籐間社長の退任、及びそれに伴う大型ロケット打ち上げのスターダスト計画の見直しという佃製作所のメイン技術であるバルブ供給契約に関する経営上の危機にと工面します。

次に、佃製作所の別の大口取引先であるヤマタニからの取引縮小の通達を告げられます。更には、佃製作所の重要なメンバーである殿村の父親が倒れるという家庭の問題が発生するのです。

この取引縮小という危機に際し、佃製作所社長佃公平の新しい試みは、トランスミッション事業への参入でした。トランスミッションに関するノウハウを持たない佃製作所は、相談先のヤマタニからギアゴーストというベンチャー企業を紹介されます。



このギアゴーストこそがこの物語の核になる企業であり、佃製作所の今後の命運をも握る企業となります。

それは、この物語がギアゴーストの行うトランスミッション用バルブのコンペへの参加に伴う、佃制作所とその対抗馬である大森バルブとの競争の物語という意味であり、そしてまた、ギアゴーストと、そのライバルというには大き過ぎるトランスミッションメーカーの「ケーマシナリー」が仕掛けてきた特許権侵害の訴訟の物語でもあるということなのです。

こうした物語に佃製作所が大きく関わり、物語が展開していくことになるのですが、その様がまさに痛快です。

そして、この物語は一応の決着を見るのですが、ネタバレとは言えないでしょうから書きますが、話自体は帝国重工のロケット打ち上げに絡む物語となるだろう次巻『下町ロケット ヤタガラス』へと持ち越しになります。

こうし多構成は前回のテレビドラマの『ロケット編』と『ガウディ編』と同じつくりであり、原作自体からテレビドラマ化を意識した構成になっているのではないかと思います。

ともあれ、本書が面白いことに違いはなく、次巻『下町ロケット ヤタガラス』は今秋にも発売されるということですので楽しみに待ちたいと思います。
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(こちらです⇒読んだ屋
本ブログを別棟として位置付けて、読んだ本を記録していこうと思い立ちました。ここでの文章を母屋であるそのサイトに転記していくつもりです。

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